*この情報は2023/12/13時点の情報に基づき記載しています。
・全ての事業者
こんにちは、厚木市の税理士岩本隆一です。
今回のお話は
税制改正
のお話です。
税制改正の種類については目次をご参照ください。
所得税
定額減税
定額減税とはまとめると下記のとおりです。(共同通信)
・定額減税とは1人当たり4万円減税する制度だよ
・しかも扶養家族がいる場合には一人あたり4万円追加減税するよ(キリッ)
・2024年6月から実施予定だよ。
・所得が2千万円超の人には実施しないから。
所得制限があるのは「富裕層は必要ないでしょ」というスタンスなんですよね。
住宅ローン控除
2023年12月5日付けのニュースによると、住宅ローン控除を引き下げる可能性があります。(産経新聞)
「引き下げたい自民党」と「引き下げたくない公明党」で揉めているみたいですね。
生命保険料控除
2023年12月4日付けのニュースによると、生命保険料控除について改正があるようです。(朝日新聞)
まとめるとこんな感じです。
・生命保険料控除とは、生命保険料を支払った場合に受けられる税金が少なくなる制度だよ。
・現在は、所得税は12万円、住民税で7万円まで控除できるよ。
・改正して所得税は16万円を控除できるようにするから(キリッ
・だって子育て大変だろ(キリッ
法人税
社外飲食交際費
2023年12月5日付けのニュースによると、社外飲食交際費の改正を検討しているそうです。(産経新聞)
2023年12月11日付けのニュースによると、1万円になる可能性があるとのことです。(日経新聞)
まとめると下記の通りです。
・社外飲食交際費は一人あたり5,000円までは制限なく経費にすることができるよ。
・みんなに飲食費を使ってほしいから、5,000円から10,000円にレベルアップしようかなと考えている。
ちなみに交際費に制限がかかっている理由は「無駄な費用は出費するんじゃないよ!!」ということです。
増税時期の検討
防衛費の増額に伴い法人税の増税する予定です。
その増税時期を具体的に検討し始めたそうです。(産経新聞)
戦略分野国内生産促進税制の創設
戦略分野国内生産促進税制とは、半導体をはじめとした戦略物資の国内生産を即すための税制だそうです。(産経新聞)
その他投資税制の充実
戦略分野国内生産促進税制以外でも、投資減税については政府は充実させたいようです。
産経新聞を引用します。
法人税率は年々引き下げられてきたが、企業の内部留保が増えるばかりで投資には回っていないとの指摘がある。国内投資を促す企業減税を検討する中、投資に後ろ向きな企業には負担を迫り、減税の効果を際立たせる狙いがある。
産経新聞
まとめるとこんな感じです。
・あのさ、法人税率は年々引き下げてやったよね
・でも、君たちはお金を貯めるばかりで経済のためになってない
・だから、お金を使いたくなる税制を始めるわ
・投資をすればするほど税金が少なくなるからよろしくね
法人税率UP
投資減税で減る税収を確保すべく、法人税の税率のUPを目論んでいるようです。
国内投資に消極的な企業には法人税を多く払ってもらい、その分、成長投資を行う企業は手厚く支援するという考えで、これにより減税の効果が際立つと期待される。
減税分を穴埋めする財源としての考え方もある。宮沢氏は11月8日の産経新聞などのインタビューで、投資減税を巡り「原資は投資をしない企業に法人税で払ってもらうのが個人的にはいいと思っている」と語った。
産経新聞
まとめるとこんな感じです。
・減税ってさ、税率下げるだけじゃナンセンスってことに気がついたよ
・だから、税率あげるね。
・税率あげるけど、投資すれば減税になるから
・これでこそ減税2.0
賃上げ税制
2023/12/11の記事です。
政府・与党は賃上げ促進税制を改正し、給与総額を前年度から7%以上増やした大企業向けの税優遇枠を創設する。子育て支援に積極的な企業などの優遇を拡大し、給与の増額分の最大35%を法人税から差し引く。賃上げ率が高くない企業の控除率は引き下げ、優遇にメリハリをつける。
日本経済新聞
ざっくりまとめます。
・賃上げ促進税制を改良するよ
・賃上げ促進税制って、賃金上げたら減税する制度ね
・子育て支援したら、もっと減税すっから。
・賃上げの35%まで減税するんだぜ。
・すごいだろ。だから、子育て支援をして賃金を上げろや。
・ちな、賃金をそんなに上げない企業は、たいした減税にならんから気をつけなはれや。
別の記事だと、こんな表がありました。
(出所:共同通信)
まとめるとこうです。
・減税額を増加給与額の最大45%に拡充するわ
・でも、女性と子育てを支援したらな。
・最大5年間繰り越せるから赤字企業でも安心しろよ。
地方税
外税標準課税
2023/12/11下記の報道がありました。
企業が1億円以下に減資しても「資本金と資本剰余金の合計が10億円超」であれば課税を続ける。新基準導入前に減資した企業は、対象にしない。
共同通信
意訳するとこの通りです。
・外形標準課税の逃れについて対策すっぞ
・外形標準課税とは、資本金1億円以上の法人に対して課税している税金だ
・この税制によって、利益を上げていない法人でも課税することができる
・最近、減資をしてこの外形標準課税を逃れる行為が横行している。不愉快だ。
・資本金と資本剰余金の合計が10億円超の場合にも課税することにするからな。覚悟しておけよ。
・ちなみに駆け込み減資をしても無駄やで。対策考えておくからな。
感想
国の方針がよくわかる改正案だと思います。
飲食店でお金を使って欲しい!!
設備投資にもお金を使って欲しい!!
住宅については今のところ追加で支援するつもりはない!!
子育て支援したい!!
といったところでしょうか。
法人税率をアップするのは意外でした。
イギリスも税率UPを検討したように、国際競争力というパワーワードを盾にガンガン税率を下げていく時代は、もう終わったということでしょうね。