この情報は2023/11/21時点の情報に基づき記載しています。
・アルバイトやパート
・アルバイトやパートを雇っている事業主
こんにちは、税理士の岩本隆一です。
今回は
アルバイトやパートの雇用保険
のお話です。
労働保険の加入要件が週10時間以上へ
共同通信社が2023/11/22に下記のように伝えています。
政府が雇用保険の加入要件である週の労働時間を現行の「20時間以上」から「10時間以上」に緩和する方向で検討していることが分かった。
共同通信社
強制ではないですね。
任意
です。
任意である限り、パートさんが望んでも、事業主が望まなければ、雇用保険には加入しないということになります。
雇用保険とは
雇用保険とは、従業員が失業したときに給付を受けることができる公的な制度です。(他にも様々な内容がありますがここでは割愛します。)
失業した場合には失業前の給与の50%~80%を失業保険として受け取ることができます。
パートさんのメリット
メリット
パートさんにとっての最大のメリットは
失業保険の給付
を受けられるということです。
失業手当は、失業した場合に働いていたときの給与の50%~80%を支給してもらえる制度です。
例えば、月10万円もらっていたのであれば、失業保険として月5~8万円がもらえるということですね。
ほかにも教育訓練給付制度を利用できるので、資格の取得費用などの一部を国に負担してもらうことができるメリットもあります。
デメリット
デメリットとしては、失業保険をもらうためには、パートさんは雇用保険料を支払わないといけないことです。
雇用保険料の金額は支給額の0.6%です。この支給額には交通費を含みます。(参考:厚生労働省)
支給額が月10万円であれば雇用保険料は月600円ですね。
月々600円を支払うことで、失業したときには失業手当がもらえるのであれば、パートさん的にはいいような気がしますが、みなさんはどう思うでしょうか。
事業主のメリット・デメリット
メリット
事業主にとってのメリットは、
従業員の満足度向上
につながることです。
(雇用保険に加入できない他社とくらべれば)いい人材を採用できるチャンスは増えそうです。
デメリット
事業主の最大のデメリットは、保険料を負担しないといけないことですね。
雇用保険料の金額は支給額の0.95%です。パートさんが払う金額よりも大きいですね。もちろんこの支給額には交通費を含みます。(参考:厚生労働省)
支給額が月10万円であれば雇用保険料は月900円ですね。
他にも雇用保険加入・脱退のための手続きなど煩雑になることが想定できます。
ひとこと
労働保険の加入要件が週10時間以上になることは、パートさんは嬉しいかもしれませんが、
事業主にとっては痛い
ですよね。
出費が増えます。
その反面、従業員にとっての福利厚生を充実できるので、その点をうまく活かしていきたいですね。