消費税

【基礎知識】消費税の精算について【事例あり】

*この情報は2023/11/23時点の情報に基づき記載しています。

この記事の対象者

・課税事業者

こんにちは、税理士の岩本隆一です。

今回は

消費税の精算

のお話です。

消費税の精算とは

消費税の精算とは、決算時に

消費税の納税額を帳簿に計上

する会計処理のことです。

消費税の課税事業者であれば必ず行います。消費税の課税事業者とは、消費税を納めないといけない事業者ですね。

税込経理か税抜経理かによって、会計処理が異なります。

税込経理と税抜経理

税込経理とは

税込経理とは、消費税

込み

の金額で会計処理を行うことです。

例えば、税込金額110円の売上があった場合には、

売上金額 = 110円

となります。

税抜経理とは

税込経理とは、消費税

抜き

の金額で会計処理を行うことです。

例えば、税込金額110円の売上があった場合には、

売上金額 = 100円

となります。

税込経理と税抜経理どっちがいい?

消費税の免税事業者は税経理で会計処理を行うべきです。

また、消費税の課税事業者は税経理で会計処理を行うことが好ましいです。

消費税の精算

税込経理の場合

税込経理の場合の消費税の精算は、下記の仕訳を行うだけです。

租税公課 / 未払消費税等*1

*1 支払った時に消費税の精算を行う場合には現金預金を使用します。

シンプルですね。

税抜経理の場合

税抜経理の場合の消費税の精算は、下記の仕訳を行います。

仮受消費税等  /   未払消費税等

(租税公課*1) /  仮払消費税等*3

        /  (雑収入*2)

*1 預かった消費税から支払った消費税と納税する消費税の合計を引いた金額がマイナスの場合に租税公課勘定を使います。つまり、消費税でをしたということになります。

*2 預かった消費税から支払った消費税と納税する消費税の合計を引いた金額がプラスの場合に雑収入勘定を使います。つまり、消費税でをしたということです。

*3 支払った時に消費税の精算を行う場合には現金預金を使用します。

得する場合、損する場合

得をする場合

消費税の精算で得をする場合とは、簡易課税2割特例を選択している場合に多いです。

簡易課税や2割特例を選択することで、原則課税に比べて納税額が減るからです。(減らない場合には簡易課税などを選択しないです。)

損をする場合

消費税の精算で損をする場合とは、売上に非課税のものが多い場合です。

ややこしい話ですが、売上に非課税のものが多いと、支払った消費税のうち納税額から引くことができる金額が少なくなるため、仕入や経費を支払う際に消費税を支払っているにもかかわらず、消費税を納税もしないといけないこととなります。

事例

簡易課税

経営コンサルタント業を営むAさんは、消費税の納税について、原則課税であれば100万円の納税だったところを、簡易課税を選択したおかげで、納税額が80万円で済みました。

この差額20万円は雑収入として計上した。

まとめ

今回は消費税の精算についてお話しました。

・消費税は毎年精算を行う

・精算の方法は税込経理か税抜経理かで異なる

・簡易課税や2割特例を選択すると消費税の精算による利益が発生することがある。

今回も最後までお読みいただいきましてありがとうございました。