消費税

【要確認】消費税の計算方法の判定【事例あり】

*この情報は2023/10/31時点の情報に基づき記載しています。

この記事の対象者

・どの消費税の計算方法を採用しているか分からない事業者

こんにちは、税理士の岩本隆一です。

今回は

消費税の計算方法

のお話です。

この記事を読んでいるあなたは、ご自身の消費税の計算方法を把握していますか?

把握している場合には、もうこの記事は読まなくて結構です。笑

もし把握していないのであれば、下記を読み進めていってください。

ご自身の消費税の計算方法を把握することは重要です。

計算方法によって経理方法が変わりますから。

インボイス制度下においては、原則課税か否かによって手間暇がかわってきますので、ご自身がどの計算方法なのかしっかりと把握しておく必要があります。

消費税の計算方法の種類

消費税の計算方法には、下記の3つの種類があります。

  • 原則課税
  • 簡易課税
  • 2割特例

*2割特例については、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間限定です。(参考:国税庁

*原則課税は本則課税や一般課税ともいいます。

原則課税とは、売上に係る消費税から経費に係る消費税を引いて消費税を計算します。

消費税の納税額 = 売上に係る消費税 - 仕入や経費に係る消費税

簡易課税や2割特例は、売上のみに着目して消費税を計算します。

消費税の納税額 = 売上に係る消費税 ✕ 割合

上記の割合については、簡易課税の場合は取引内容ごとに変わります。

一方で、2割特例については、一律で2割です。(参考:国税庁

*上記算式は簡略化して記載しています。

なぜ計算方法を確認するのか

インボイス制度が始まると、自身が受け取った領収書などがインボイスに該当するか確認しないといけないケースがあります。

原則課税

の場合です。

原則課税の場合には、インボイスを一つ一つしっかりと確認しないといけません。

インボイスに記載すべき要件に合致しているかどうかです。

簡易課税や2割特例は売上からしか消費税を計算しないため、もらった領収書等がインボイスに該当するか関係ありません。

計算方法の判定

下記のフローチャートに沿って、ご自身がどの課税方法によって計算するか確認してください。

インボイス制度が始まるので、届出を提出して免税事業者からインボイス発行事業者となった。
YES
2割特例*²
↓NO
基準期間(2年前)の課税売上高が5,000万円以下であり、
届出期限*¹までに消費税簡易課税制度選択届出書を提出した。

YES
簡易課税
↓NO
原則課税

*¹ (ざっくり言えば)事業開始年度はその年度が終了するまで。事業開始年度は前期末まで(参考:国税庁

*² 原則課税も選択可能です。

事例

簡易課税の届出を出している場合

A社は前々期の売上高が3,000万円です。前期の12月に簡易課税選択届出書を提出しました。

 → 当期は簡易課税は適用されます。

簡易課税の届出を出しているが、基準期間の課税売上高が5,000万円を超えている場合

Bさんは前々年の売上高が6,000万円です。前期の12月に簡易課税選択届出書を提出しました。

 → 当期は原則課税は適用されます。前々年の売上高が5,000万円を超えているからです。

インボイス制度が始まるので、届出を提出して免税事業者からインボイス発行事業者となった場合

Cさんは前々年の売上高が500万円です。インボイス制度が始まるので、届出を提出して免税事業者からインボイス発行事業者となりました。

 → 当期は2割特例を適用できます。(原則課税が有利の場合には原則課税も選択可能です。)

簡易課税の届出を出していなお場合

A社は前々期の売上高が3,000万円です。簡易課税選択届出書は提出していません。

 → 当期は原則課税は適用されます。

まとめ

今回は消費税の計算方法の判定について記載しました。

・消費税の計算方法は、原則課税、簡易課税及び2割特例

・原則課税はもらった領収書等がインボイスかどうか確認しないといけない

・消費税の計算方法はフローチャートで確認しよう

最後までお読みいただきましてありがとうございました。