住民税

【2024年税制改正】扶養控除の改正点【増税】

*この情報は2023/12/15時点の情報に基づき記載しています。

この記事の対象者

・親族を扶養している方

「性能を炸裂させろ!!」

こんにちは、税理士の岩本隆一です。

今回のお話は

扶養控除の改正点

のお話です。

改正点

税制改正大綱では下記の通り記載しています。

16 歳から 18 歳までの扶養控除について、(中略)現行の一般部分(国税 38 万円、地方税 33 万円)に 代えて、(中略)特定扶養親族に対する控除の上乗せ部分(国税25万円、地方税12万円)を復元し

令和6年度税制改正大綱

つまり、控除額を下記に変更するということです。

所得税 38万円 → 25万円

住民税 33万円 → 12万円

高校生を扶養している方については増税なんですよね。理由はこう書かれています。

児童手当については、所得制限が撤廃されるとともに、支給期間について高校 生年代まで延長されることとなる。

令和6年度税制改正大綱

つまり

・高校生まで児童手当をあげるよ

・だから、扶養控除を少なくさせてね

・高校も無償化したし、いいでしょ??

というわけです。

まぁ

児童手当をもらえるんだったら仕方ないかな

と思います。

改正時期

税制改正大綱では下記の通り記載しています。

令和6年10月からの児童手当の支給期間の延長が満 年度化した後の令和8年分以降の所得税と令和9年度分以降の個人住民税の適用 について結論を得る。

令和6年度税制改正大綱

つまり、

・所得税は令和8年分から

・住民税は令和9年度分から

ということになります。

「まだまだ先やないかい!!」「やるなら早くしてよ!!」という声が聞こえてきそうですね。

また、「扶養控除について詳しく知りたい!!」という方は以降詳しく解説しますのでご確認ください。

扶養控除とは

国税庁HPでは下記の通り記載しています。

納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。

国税庁

専門用語があってわかりにくいですが、ざっくりいうと

・家族を養っているの?

・それは大変だ

・せめて所得税は少なくするね

という制度です。

対象となる人は?

国税庁HPでは下記の通り記載しています。

納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。

国税庁

そう、

控除対象扶養親族がいる人

が対象者となります。

ここで真っ先に思うのは「控除対象扶養親族って誰やねん?」ってことですよね。

控除対象扶養親族とは

国税庁HPでは下記の通り記載しています

控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいいます。
ただし、令和5年分以後の所得税においては、非居住者である扶養親族については、次に掲げるいずれかに該当する人に限り、控除対象扶養親族に該当します。
(1) その年12月31日現在の年齢が16歳以上30歳未満の人
(2) その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人
(3) その年12月31日現在の年齢が30歳以上70歳未満の人であって次に掲げるいずれかに該当する人
 イ 留学により国内に住所および居所を有しなくなった人
 ロ 障害者である人
 ハ 納税者からその年において生活費または教育費に充てるための支払を38万円以上受けている人

国税庁

まぁ長いですよね。

まとめるとこんな感じです。

・15歳以下は対象外

・16歳以上30歳未満は対象

・30歳以上70歳未満は主に送金を受けている人

・70歳以上は対象

ひょっとしたらお気づきになった方がいるかもしれませんが、扶養親族という新たな単語も出現しましたので解説していきます。

扶養親族とは

国税庁HPでは下記の通り記載しています

扶養親族とは、その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡しまたは出国する場合は、その死亡または出国の時)の現況で、次の4つの要件のすべてに当てはまる人です。
(注)出国とは、納税管理人の届出をしないで国内に住所および居所を有しないこととなることをいいます。
(1)配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族をいいます。)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
(2)納税者と生計を一にしていること。
(3)年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。

国税庁

まぁこっちも長いですよね。

ざっくりとまとめるとこんな感じです。全てに当てはまる必要があります。

・結婚相手ではない

・子供or親or親戚

・あなたが養っている

・養われている人はアルバイト収入が103万円以下

部活しかしてない娘とか、介護が必要な母親とか、20年部屋から出てこない息子なんかが該当するわけです。

控除額は?

国税庁HPでは下記の通り記載しています。

国税庁

扶養する人によって、19,000円~283,500円の所得税の減税が見込めます。

そういえば、また知らない単語が出てきましたね。

特定扶養親族老人扶養親族同居老親等の3つの単語です。

特定扶養親族とは

国税庁HPでは下記の通り記載しています。

控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の方をいいます。

国税庁

まぁ

・扶養している親族で

・19歳~22歳の間の人

ってことです。

年齢だけで言えば、キテレツで言えば勉三さん、サザエさんだと伊佐坂甚六さんですね。両方とも浪人生!!

老人扶養親族とは

国税庁HPでは下記の通り記載しています。

控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の方をいいます。

国税庁

まとめるまでもないですが

・扶養している親族で

・70歳以上の人

ってことです。

年齢だけで言えば、ちびまる子ちゃんだとまる子のおばあちゃん、ワンピースでいえばブルックですね。片方ガイコツ!!

同居老親等とは

国税庁HPでは下記の通り記載しています。

老人扶養親族のうち、あなたや配偶者の直系尊属(父母、祖父母など)で、あなたや配偶者との同居を常としている方(※)をいいます。
(※) 老人ホームなどへ入所している場合は、同居を常としているとはいえません。

国税庁

ざっくりまとめると次の全てに該当する人です。

・老人扶養親族である

・父母か祖父母である

・同居している

ってことです。

「老人ホームに入っているなら同居していると認めないよ!!」というのはなかなか厳しいですよね。

住民税について

住民税にも同様の制度があります。

扶養控除

要件
扶養する者(省略)の前年の合計所得金額が48万円(省略)以下の人

控除額
(1)一般の控除対象扶養親族(省略)…33万円
(以下省略)

横浜市

所得税とは

控除額が違う

んですけどね。

今回の改正は住民税にも及びます。

まとめ

今回は扶養控除について確認しました。

まとめると下記の通りです。

・扶養控除とは、親族を扶養すると所得税や住民税が少なくなる制度

・改正で高校生の扶養控除が縮小

最後までお読みいただきましてありがとうございました。