消費税

【対応必須】ETCを使って高速料金を支払った場合のインボイス対応【事例あり】

*この記事は2023年11月15日時点の情報に基づき記載しています。

この記事の対象者

・消費税を原則課税で計算していてETCを使う事業者

*原則課税かどうかはこちらの記事を参考にしてください。

こんにちは、税理士の岩本隆一です。

この記事はとても重要です。対象者は必ず対応してください。

今回は

インボイス制度におけるETCの取扱い

について説明します。

2023年9月以前の取扱い

2023年9月以前においては、高速料金については、クレジットカード利用明細だけを資料として経費計上をしても問題はありませんでした。

法人税や所得税を計算する際に経費に計上することができます。また、消費税を計算するときには仕入税額控除(納付する消費税から既に払った消費税を引くこと)ができます。

しかし

2023年10月からインボイス制度が始まると、クレジットカード利用明細を保管しただけでは不十分となってしまいます。

インボイス制度の下では、クレジットカード利用明細だけでは

仕入税額控除をすることはできない

からです。

*仕入税額控除については、こちらの記事を参考にしてください。

仕入税額控除をすることができないということは、

消費税で損をする

ということです。

ちなみに、法人税や所得税においては、2023年10月以降もクレジットカード明細だけで経費にすることができます。

2023年10月以降の取扱い

では、どうすれば仕入税額控除をすることができるのでしょうか。

クレジットカード利用明細に加えて、

利用証明書

を取得してください。

利用証明書はこちらの手順(外部サイト)で取得することができます。

この利用証明書は

①高速会社ごとに

②一取引だけ

取得すれば大丈夫です。

つまり、

全取引を取得する必要はない!!

ということだけ頭に入れといてください。

事業協同組合が発行しているETCクレジットカードで高速料金を支払っている場合

ETCを利用している場合でも、

事業協同組合が発行しているクレジットカード

で高速料金を支払っている事業者の方が取り扱いが異なります。

そういった事業者は、今まで通り

精算書を保存

すればOKです。

法人税、所得税及び消費税において問題はありません。

電子帳簿保存法への対応は?

結論からいうと

インボイスと同じ

で大丈夫です。

電子帳簿保存法では、電子取引については全て電子データで保存しないといけません。

したがって、利用証明書についても全てダウンロードしないといけないということになるでしょう。

しかし、

「利用証明書は検索して発行するものである。したがって、発行しダウンロードしなければ受領したものと言えない」

と言う

よくわからない理由

から、インボイス対応でダウンロードしたもののみ電子データで保存すれば問題はありません。

事例

トラック運送を行っているT株式会社は、首都高と東名高速道路を使って運送をしています。

首都高は首都高速道路株式会社、東名高速道路はNEXCO東日本(中日本高速道路株式会社)が運営を行っているため、それぞれの利用証明書を取得する必要があります。

そこでインターネットでETC利用照会サービスを検索し、各運営会社の利用証明書を一取引ずつ取得をしました。

まとめ

今回はETCを使って高速料金を支払った場合の今後の対応について説明しました。

ポイントは下記のとおりです。

・ETCを利用したら、クレジットカード明細と利用証明書を保管しましょう。

・利用証明書はこちら(外部サイト)から取得することができます。

・利用証明書は一つの高速道路運営事業社から一つの取引だけ保管すれば大丈夫です。

今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。