無申告

源泉徴収されていても無申告で罰金?給与・副業パターン

みなさんこんにちは、税理士の岩本隆一です。無申告や税務調査を多く取り扱っている税理士事務所を営んでいます。(いつでもお問い合わせください!!)

「源泉徴収されてるから確定申告いらないっしょ!」

これ、副業やってる人の9割が思ってることなんだけど、超危険な誤解です。ガチで。あなたも「バレないでしょ」って思ってるかもだけど、税務署はあなたが想像する以上に情報持ってます。メルカリの売上とか、クラウドソーシングの報酬とか、全部筒抜けになる時代ですよ。

ぶっちゃけ言うと、源泉徴収されててもバイトやフリーランスの副業あるなら確定申告必須の場合が多いんです。今日はそんな「会社員の副業と税金の罠」について徹底解説します。

源泉徴収と年末調整の罠

日本の会社員は毎月給料から税金がスパッと引かれて(源泉徴収)、年末には会社が全部やってくれる(年末調整)から楽チンですよね。「税金のこと考えなくていいや〜」って。

でもこれが最大の罠なんです。

知ってました?年末調整ってメインの会社の給料だけが対象なんですよ。副業の収入(バイト、フリーランス、メルカリ、投資、なんでも)は完全にスルーされてます。

だって考えてみてよ。あなたのメイン勤務先の経理部が、あなたがUberEatsで稼いだ金額とかYouTubeの広告収入とか知るわけないじゃないですか。知らないものは計算できないんですよ、当たり前だけど。

確定申告しないといけないのはこんな人たち

「自分は確定申告必要?」ってなりますよね。ざっくり言うと、こんな人たちは確定申告必須です:

  1. 年収2,000万円超えの勝ち組
    • おめでとうございます。お忙しいかと思いますので、是非当事務所にご依頼ください。
  2. 副業の所得が年間20万円を超える人
    • ここ超重要!「収入」じゃなくて「所得」(収入−経費)で判断します
    • つまり、副業の売上300万円でも経費290万円あれば所得は10万円。この場合は確定申告不要です(でも住民税の申告は必要!これ後で説明します)
  3. 複数の会社から給料もらってる人(複雑なパターン)
    • 例:メイン会社の給料は年末調整済み+副業バイトの給料が15万円+ブログ収入所得が6万円=合計21万円超えたら確定申告必要
    • このパターン、税務署はよく捕まえますよ…

ここで最大の落とし穴!「副業所得20万円以下だから申告いらない」と思ってる人、住民税の申告は別物なんですよ!所得税の申告が不要でも、住民税の申告はしないといけない。これ知らない人めっちゃ多い。

あなたの副業収入はどのカテゴリ?答えで税金が激変します

副業と言っても、税法上は3つに分かれます。どれに当てはまるかで税金が全然違ってくるんですよ。

  1. 給与所得:バイトとかパートみたいに雇われてる場合
    • 特徴:源泉徴収される、経費計上の自由度低い
    • 例:飲食店のバイト、派遣社員
  2. 事業所得:個人事業主として継続的にビジネスやってる場合
    • 特徴:青色申告で最大65万円控除、赤字なら本業の所得と相殺可能(これ超重要)
    • 例:フリーランスエンジニア、個人YouTuber、コンサル
  3. 雑所得:上記以外の「ちょっとした収入」
    • 特徴:控除少ない、赤字になっても損益通算できない(つまり税金的にクソ不利)
    • 例:ポイントサイト収入、たまにやるアフィリエイト、ブログ収入(小規模)

「じゃあ全部事業所得にしちゃえばいいじゃん!」って思いますよね?でも税務署はそう簡単に認めてくれません。事業所得と認めてもらうための鉄板パターンは:

  • ちゃんと帳簿つけてる(これ超重要)
  • 本気で利益出そうとしてる
  • それなりに時間や労力使ってる
  • 「これは趣味じゃなくてビジネスです」って客観的に見てわかる

「バレないっしょ」の恐怖:税務署はあなたを見ている

「まぁバレないでしょ」「少額だし…」「忙しいから…」

みんなこう思って無申告してるんですよね。でも現実をぶっちゃけます。税務署はあなたが想像する以上に情報を持ってます。こんなルートでバレます:

  • 支払調書:あなたにフリーランス報酬を払った会社は、全部税務署に報告してます。「あれ?この人申告してないけど、●●社から50万円もらってるじゃん」ってバレます
  • マイナンバー連携:銀行口座とマイナンバーの紐付けが進んでます。不自然な入金があれば丸見え
  • デジタルプラットフォームからの情報開示:メルカリ、クラウドワークス、ココナラ、Uber Eats…全部税務署から情報開示要求されたら出さざるを得ません
  • AIによる異常検知:「この人の生活水準と申告所得が合わないな…」って税務署のAIが検知します

バレた時のペナルティがエグすぎるんですよ。まじで:

  1. 無申告加算税:税務署が調査した後に発覚したら、本来の税額に最大30%上乗せされます
    • 例:本来の税額が100万円なら、それに加えて30万円も払うことに
  2. 延滞税:年率8.7%の金利がつきます(消費者金融より高い)
  3. 重加算税:特に悪質なら最大50%上乗せ(本来100万円の税金が150万円に!)

最悪のケースだと、懲役や罰金刑になることもあります。「たかが副業の申告忘れ」で前科持ちになりたくないですよね?

「税金は10%でしょ?」という大誤解

税金の仕組みで超重要なのに誰も教えてくれないこと。日本の所得税は「累進課税制度」といって、儲けが多いほど税率が上がるんです。

こういうことです:

  • 課税所得195万円まで:税率5%
  • 課税所得195万円〜330万円:税率10%
  • 課税所得330万円〜695万円:税率20%
  • 課税所得695万円〜900万円:税率23%
  • …以降も45%まで上がっていく

例えばこんな例があります: 本業の課税所得が300万円(税率10%)の人が、副業で100万円稼いだとしましょう。合計で400万円になりますよね?

すると適用税率が**20%**に跳ね上がります!つまり、最後の70万円分には20%の税金がかかるんです。

「副業で稼いだ100万円には10%の税金でしょ?」じゃないんです。最大の勘違いポイントです。

さらに恐ろしいのは、この「税率アップ分」は源泉徴収じゃ対応できないんですよ。だから確定申告で追加の税金を払うハメになります。「副業したのに税金で持ってかれた…」となる理由がこれです。

確定申告はめんどくさくない。こうやればいい

「確定申告ってめんどくさそう…」

いやいや、そんなことないですよ。国税庁がめちゃくちゃ使いやすいツール作ってくれてるし、最近はスマホだけでもできるようになりました。ざっくり流れを説明します:

確定申告の期間:翌年2月16日〜3月15日 (例:2024年分の所得は2025年の2/16〜3/15に申告)

必要な書類

  • 源泉徴収票(会社からもらえる)
  • 副業収入の証拠(請求書、入金記録、支払調書など)
  • 経費の証拠(レシート、領収書)
  • 保険料控除証明書とか
  • マイナンバーカード

申告方法

  1. e-Tax(超おすすめ):スマホかPCでオンライン申告。24時間OK、青色申告なら控除額も多い
  2. 郵送:郵便局の消印が期限内ならOK
  3. 窓口持参:税務署混みすぎ注意

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というサイトが超便利です。質問に答えていくだけで自動計算してくれますよ。

ちなみに、会計ソフト(freeeとかマネーフォワードとか)使うと収支管理から申告書作成までサクッとできます。これ使うと確定申告が「めんどくさい」から「余裕」に変わります。特に事業所得で青色申告したい人には超おすすめ。

結論:「副業×源泉徴収」の落とし穴を避けるためのチェックリスト

「会社員も副業の時代」と言われる今、多くの人が源泉徴収と副業の関係を誤解しています。まとめると:

チェックリスト

  1. 年末調整は副業収入をまったくカバーしていない
  2. 副業所得が20万円超えたら確定申告は必須
  3. 住民税の申告は所得1円でも原則必要(これ忘れる人多すぎ)
  4. 源泉徴収額≠最終的な税額(累進課税で税率が上がることを忘れずに)
  5. 無申告はマジでヤバい(最大30%のペナルティ)
  6. 事業所得として確定申告できれば青色申告特別控除(最大65万円)が使える

税金の世界は「知らなかった」じゃ済まされません。でも逆に言えば、きちんと理解して正しく対応すれば、むしろ得することもあります。特に青色申告の特典は大きいので、副業を本格的にやるなら検討する価値ありです。

「なんか自分のケースだと複雑だな…」と思った方は、ぜひ専門家に相談してください。節税できる可能性も大いにありますよ。

当事務所ではいつでも相談をお請けいたしております!副業の税金で悩んでる人、「バレないかな…」と思ってる人、正しく申告して節税したい人、なんでも気軽に相談ください。初回相談30分無料です!(LINE・Zoom対応可)