みなさんこんにちは、税理士の岩本隆一です。無申告や税務調査を多く取り扱っている税理士事務所を営んでいます。(いつでもお問い合わせください!!)
今日は超重要な話をします。
「個人事業主として活動してきたけど、実は確定申告をしていない…」
「でも法人化したい…」
こんな悩みを持っている人、意外と多いんですよね。僕のところにも月に何件も相談があります。
実際のところ、無申告でも法人設立はできるのか?
結論からいうと、できます。でも、絶対にやめたほうがいいです。
なぜか?それを徹底的に解説します。
「できる」と「やるべき」は全然違う話
まず「無申告でも法人設立できるの?」という質問には、「手続き上はできる」と答えるしかありません。
法務局で会社設立登記をするときに、「この人、税金ちゃんと払ってますか?」なんてチェックはされないからです。
でも、これってただの「手続き上の話」であって、実際にそれをやったらめちゃくちゃヤバいことになります。
これから、なぜヤバいのかを具体的に見ていきましょう。
無申告なのに法人設立したら何が起こる?
1. 追徴課税の爆弾が炸裂する
法人を作ったからといって個人の納税義務が消えるわけではありません。無申告が発覚したら、こんな感じで「追徴課税の爆弾」が炸裂します。
- 本来の税金:まずは払うべき所得税・住民税・消費税が全額請求されます
- 無申告加算税:税務調査で見つかったら15〜20%上乗せ(自主申告なら5%に減額)
- 延滞税:年利約8.8%(これ、日々増えていきます)
- 重加算税:故意に隠していたと判断されれば最大40%上乗せ(怖すぎ…)
例えば、3年間無申告で年収500万、所得300万だった場合…
- 所得税・住民税(3年分):約150万円
- 無申告加算税:約22.5万円
- 延滞税(3年分):約40万円
合計で200万円以上の請求が来る可能性があるわけです。しかも延滞税は日々増えていく…恐ろしい。
2. 「法人口座」が作れない地獄
これが実は一番ヤバいです。
会社を作っても銀行口座が開設できないというケースが急増しています。
銀行はマネロン対策で超厳しくなっていて、口座開設審査の際に代表者の信用情報をガッツリ調べます。税金滞納があると即アウト。
口座がなければ、お客さんからの入金も受けられないし、社員への給料も払えません。事業が成り立たなくなるんですね。
3. お金が借りられない
「じゃあ別の銀行で口座を…」と思っても無理です。
融資審査では必ず納税証明書の提出が求められます。過去に税金の滞納があれば、融資はほぼ100%断られます。
つまり会社の運転資金も調達できないという絶望的な状況になるわけです。
4. 許認可が取れない
「建設業」「不動産業」「酒類販売」など、許認可が必要な業種は特に大変です。
これらの許認可申請では、納税証明書の提出が必須だったり、「税金の滞納処分を受けていないこと」が条件になっていることが多いんです。
つまり、会社はあるのに商売ができないという悲しい状況に…
「バレないでしょ」は超危険思考
「法人にしてしまえば過去の無申告はバレないでしょ」
こう考える人が多いのですが、これは超危険です。むしろ法人設立が調査のきっかけになることもあります。
特に法人成りは税務調査のターゲットになりやすいです。
なぜなら、税務署は「個人事業→法人」の変化を見逃しません。特に以下のような点を調べます:
- 個人の財産を法人にどう移したか
- 個人と法人の間でお金の流れがおかしくないか
- 売上や経費の計上タイミングが不自然じゃないか
このチェックで、「あれ?過去に申告してなくない?」と発覚するパターンが多いんですよね。
「必ず解決してから法人化」が正解
じゃあどうすればいいか?
答えは超シンプルです。必ず過去の無申告を解決してから法人化する。
具体的にやるべきこと
1. 期限後申告をすぐやる
過去の無申告分は、すぐに「期限後申告」をしましょう。
ポイントは、自分から申告するかどうかです。
税務調査で指摘される前に自分から申告すれば、無申告加算税が15〜20%→5%に減額されます。めちゃくちゃ大きい!
2. 税理士に相談する
正直、無申告の状態から適正な申告をするのは素人には難しいです。どんな資料が必要か、どう計算するか、など専門知識が必要です。
税理士に相談する時に準備するもの:
- 収入がわかる資料(請求書、入金記録など)
- 経費の領収書(なるべく全部)
- 銀行通帳(事業用、プライベート両方)
- 保険や年金の控除証明書
「領収書がない…」という人も多いですが、それでもなるべく集めましょう。なければクレカの明細などで代用する手もあります。
法人になったあとも気をつけて!
個人の問題を解決できても油断禁物。法人になると新たな税務義務が発生します:
- 法人税:事業年度終了後2ヶ月以内に申告
- 消費税:売上1,000万円超えると納税義務発生
- 源泉所得税:給料支払いの翌月10日までに納付
- 住民税・事業税:法人税と一緒に申告
これらを怠ると、また同じ轍を踏むことになります。特に恐ろしいのが「青色申告の取消」。2期連続で期限内申告を怠ると、欠損金繰越などの優遇措置が使えなくなります。
要するに
「無申告でも法人設立できる?」
→手続き上はできるけど、実際やるとこんな地獄を見ることになります:
- 追徴課税+ペナルティの大爆発
- 銀行口座が作れない
- 融資が受けられない
- 許認可が取れない
- 税務調査の可能性大
つまり、会社はあるのに何もできない」という悲惨な状況に陥るわけです。
会社を作る目的って、事業を成長させることですよね?ところが無申告問題を抱えたまま法人化すると、その目的を達成するどころか、むしろ足かせになってしまいます。
正しい流れはこうです:
- 過去の無申告を解決する(税理士に相談)
- クリーンな状態で法人設立
- 法人としての納税義務をキッチリ果たす
ちゃんとした土台があってこそ、健全な成長が可能になるんです。
「でも無申告のままだし…」と悩んでいる方、ぜひ一度ご相談ください。当事務所では無申告問題の解決から法人設立まで、トータルでサポートしています。初回相談30分無料です!
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