無申告でも大丈夫?―まず最初に知るべき5つのリスク

国税庁の最新データによれば、無申告者に対する税務調査件数が前年比0.9%増加。平均追徴税額は120万円を超えています。無申告を放置するリスクが年々高まっている。
みなさんこんにちは、税理士の岩本隆一です。日々無申告の対応をしております。
「無申告は大丈夫」という危険な幻想
「副業で稼いだ30万円、申告しなくてもバレないっしょ?」
これ、マジでヤバい考え方です。
「少額だから」「うっかり忘れただけだから」「意図的に隠したわけじゃないから」…
こういう言い訳を自分に言い聞かせてる人、めちゃくちゃ多いです。でもね、結論からいうと無申告は絶対に「大丈夫」じゃないです。
2000年代ならまだしも、今や税務署のデータ収集能力はガチでエグいレベル。マイナンバー、電子取引データ、銀行口座、クレカ履歴…あらゆる情報が紐づけられていく時代に「バレない」なんてのは、ただの幻想です。
僕のところにも「バレないと思ってたのに…」と泣きついてくる人が後を絶ちません。今回は無申告という選択がもたらす5つの具体的なリスクを、リアルにぶっちゃけます。これ読んだら、無申告が「ガチでコスパ最悪の選択」だってわかるはず。
リスク1:高額な追徴課税 – あなたの財布が空になる日
無申告バレた時の第一撃は、マジで痛い「追徴課税」です。
具体的には
- 無申告加算税:本来の税金に15%~30%上乗せ。これ、純粋に「ペナルティ」です。利益に対してじゃなく「納めるべき税金額」に対して加算されるの、ヤバくない?
- 延滞税:納付が遅れた分の「利息」。年間最大14.6%!消費者金融より高い金利ですよ?
例えば、本来100万円の税金だったとします。これが発覚したら、加算税15万円+1年分の延滞税約10万円で、いきなり125万円の請求。オマケに督促状はクッソ冷たい文面で「速やかに納付せよ」です。
無申告3年放置すると?もう地獄絵図。元本100万が150万超に化ける魔法。しかも「払えません」は通用しない。
さらに2024年の税制改正では「常習者」へのペナルティが10%アップ。つまり、無申告2年目からはさらに重いペナルティが課されます。「今年もバレなかったし来年も…」とかやってると、もう手遅れになるまえに終了です。
リスク2:悪質なケースは刑事罰の対象に – あなたの名前が新聞に載る日
「単なる申告漏れ」と「悪質な脱税」の境界線、意外と薄いんですよ。
税務署が「コイツ、わかっててやってるな」と判断したら、もう罰金の話じゃなくなります。通常の15%〜30%の加算税はおろか、いきなり40%の「重加算税」が課される。そして最悪のケースでは、刑事告発。
脱税で検索すると「〇〇社長を脱税容疑で逮捕」みたいなニュースが山ほど出てきます。これ、特殊な人たちの話じゃないです。「バレるわけない」と高をくくってた普通の人たちが、ある日突然、人生終了ボタンを押されるんです。
刑事罰は「10年以下の懲役」か「1000万円以下の罰金」かその両方。これは殺人未遂と同じレベルの刑罰です。ガチの犯罪者扱い。
面白いのが、「悪質」の判断基準。「大金を隠した」だけじゃなく、「SNSで高級車乗りまくってるのに所得ゼロ申告」とか、生活水準と申告内容の乖離もアウト。全然バカにできない話です。
リスク3:財産差し押さえの現実 – 銀行口座が凍結される日
税金滞納したまま放置したら、次に起きるのは「差し押さえ」です。
これ、映画の話じゃなくてリアルな話。2023年度だけで約33万件の差し押さえが執行されてます。あなたの周りにも絶対います、経験者。
差し押さえ対象は超広範囲:
- 銀行預金:ある日突然、口座が凍結。ATM画面に「この口座はご利用できません」って出た瞬間の絶望感、体験した人じゃないとわからない。
- 給与:会社に差押通知がいきます。つまり「あなたの社員が税金払ってません」って。上司や経理部にバレますよ?恥ずかしくない?
- 不動産:あなたの家や土地に「滞納処分による差押」の登記がされる。売れなくなります。
- 車:ナンバープレート外されて公売にかけられることも。
- 売掛金:取引先に「この人への支払いは国に納めてください」って通知がいく。ビジネス的に詰みです。
マジでヤバいのが、税金の差し押さえは裁判所の判断いらず。税務署が「この人払ってないな」って思ったら即執行できる「自力執行権」という強権持ってます。民事の債権回収より超速で、対抗手段ほぼナシ。
リスク4:社会的信用の失墜 – ローンが組めなくなる日
無申告の最大の被害は「お金」じゃない。「信用」です。
例えば:
- 住宅ローン審査:「納税証明書お願いします」→出せない→審査落ち。マイホームの夢、終了。
- 賃貸契約:「所得証明書ください」→出せない→審査落ち。引っ越しできない。
- 事業資金の融資:銀行「納税状況は?」→答えられない→融資却下。ビジネスチャンス消滅。
- 公営住宅:所得証明書必須。出せないなら申し込み資格なし。
- 保育園入園:同じく所得証明書がないと優先度が下がる。待機児童地獄へようこそ。
- 各種給付金:コロナ禍の持続化給付金、インボイス対応の給付金、全部「適正に申告してる人」が前提。無申告者は「存在しない人」扱い。
この手の「証明書が出せない」問題は、後からお金払えば解決…じゃないんです。納税しても「正直者」という信用を回復するのに数年かかることも。一度失った信用は簡単には戻りません。
リスク5:税務調査という名のプレッシャー – あなたの平穏な日常が壊れる日
「どうせバレないでしょ」
税務署の情報収集力をナメてる人、マジで多すぎ。今どんな情報が税務署に集まってるか、知ってます?
- 支払調書:誰かから報酬もらったら、その情報は税務署に流れてる
- 反面調査:取引先が調査されたら、あなたの元にも調査の手が伸びる
- 金融口座情報:「この口座に毎月50万入金あるのに、申告所得ゼロ?」とかすぐバレる
- マイナンバー紐づけ:複数の収入源も一発で名寄せ可能
- 不動産登記:「所得ゼロなのに3000万の物件買った?」→調査確定
- タレコミ:元恋人、元従業員からの密告も珍しくない
そして税務調査が始まると、マジで地獄です。
朝9時、チャイム鳴って「税務署の〇〇です」って言われた瞬間、血の気が引きます。1人じゃなく2〜3人でやってくる。
そして「過去7年分の帳簿全部出して」「この入金は何?」「なんでこの時期だけ売上下がってるの?」「取引先全部教えて」「スマホの写真見せて」…
これが数日、場合によっては数週間続く。普通に仕事しながら対応するの、精神的にキツすぎ。
無申告者への調査は特に厳しいです。調査官の頭の中は最初から「この人、脱税してる」がデフォルト。質問も厳しく、許容度も低い。
今からでもできる対策 – 自主的な「期限後申告」
「やばい、俺、無申告だった…」
焦る気持ちわかります。でも、まだ間に合います。今から行動するかしないかで、未来が大きく変わります。
最強の対抗策は「期限後申告」です。
税務署から「お前、申告してないだろ」って言われる前に、自分から「すみません、申告が遅れました」って言うだけで、無申告加算税が15%〜30%→5%に激減。延滞税は発生しますが、それでも「黙ってる」より圧倒的にマシです。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」、ガチで使いやすいです。過去分の申告書も作れる。
税金高すぎて払えない?それも相談できます。「納税の猶予制度」っていう分割払いのシステムがある。条件あるけど、誠実に「払いたいけど一括は無理です」って言えば、対応してくれます。プライドより将来の安心を取るべきです。
それでも不安なら税理士に相談を。「費用かかるから…」と思うかもしれませんが、適切な経費計上や控除適用で、税理士費用以上に納税額が減ることも珍しくない。特に事業所得がある人は絶対に専門家に相談すべきです。
まとめ:無申告を放置するコストは想像以上に高い
「申告してないけど今のところバレてないし…」
これ、時限爆弾を抱えて「まだ爆発してないし大丈夫」って言ってるようなもんです。爆発したとき、失うのは単にお金だけじゃない。社会的な信用、平穏な生活、最悪の場合は自由まで失うことになります。
短期的には「ラッキー、数万円浮いた!」と喜ぶかもしれません。でも長期的に見たら、無申告による追加コストとリスクは、正直に申告するコストの10倍、100倍になることも。
納税は「国への献金」じゃなく、あなた自身を様々なリスクから守る「保険料」だと思ってください。無申告という賭けは、勝っても小さく、負けたら人生レベルで痛い。そんなギャンブル、やる価値ありますか?
今日からできる3つの行動リスト
- 過去の無申告分があるなら、今すぐ期限後申告に着手する
「今日から始める」じゃなく「今から始める」。国税庁サイトの確定申告書作成コーナーを開いて、今すぐアクション起こすのが正解。1分1秒でも早く申告した方が、延滞税も減ります。 - 確定申告の基本をサクッと学ぶ
YouTubeで「確定申告 基本」で検索するだけでも十分。1時間投資するだけで不安は半減します。無料の税務相談会も各地で開催されてるので、探してみて。 - 領収書管理をデジタル化する
スマホアプリでレシート撮影→自動仕分けできるサービス多数あり。紙派なら100均の12ポケットクリアファイルに月ごと入れるだけでOK。やらないより断然マシ。
当事務所では税金に関するLINEによる無料相談を行っています。「無申告だけど大丈夫?」「申告したいけど何から始めれば?」「税務調査がくるかも…」なんでもOKです。プロフィールのリンクから友達追加すれば、24時間以内にガチな回答します。税金の悩み、一人で抱え込まないでください。