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フリーランスが実際に受けた税務調査の全記録|準備から終了まで徹底解説

今日は、僕が実際に立ち会ったフリーランスの方の税務調査について、リアルな体験談をお話ししようと思います。

正直、税務調査って聞くと「うわあ、怖い」って思いますよね。僕も最初は緊張しました。でも実際にやってみると、しっかり準備していれば全然怖くないんです。むしろ、税務署の人も普通の人だし、話せば分かってくれることが多いんですよ。

目次

なぜこの記事を書こうと思ったのか

実は最近、フリーランスの方から税務調査の相談がめちゃくちゃ増えてるんです。特にコロナ以降、在宅ワークが増えて、副業やフリーランスになる人が爆増しましたよね。

でも、税務調査について正確な情報って意外と少ないんです。ネットで調べても「こうなったら終わり」みたいな恐怖を煽る記事ばかり。実際はそんなことないのに。

だから今回は、実際に僕が立ち会った事例を元に、リアルな税務調査の流れを全部お話しします。

この事例は個人情報保護のため一部修正してます。ご了承ください。

今回の事例:WebデザイナーのAさんの場合

今回紹介するのは、フリーランスのWebデザイナーをしているAさん(30代女性)の事例です。年収は約600万円で、個人事業主として3年目。

Aさんが税務調査の連絡を受けたのは、確定申告から約8ヶ月後のこと。突然税務署から電話がかかってきて、「税務調査をさせていただきたい」と言われたそうです。

その時のAさんの反応は「え、私何かやばいことしたっけ?」でした。多分皆さんも同じ反応になると思います(笑)

税務調査が始まるまでの準備期間

Step1: 税務署からの連絡(調査の1ヶ月前)

税務署から電話があったのは平日の午前中。「来月の〇日に税務調査をさせていただきたいのですが」という感じで、意外とあっさりとした連絡でした。

この時点で、Aさんは僕に連絡をくれました。「先生、税務調査が入るんですけど、どうしたらいいですか?」って。

Step2: 必要書類の準備

税務調査で必要になる書類は、基本的に以下の通りです:

  • 確定申告書の控え(過去3年分)
  • 帳簿(売上台帳、経費台帳など)
  • 領収書・レシート類
  • 通帳のコピー
  • 契約書類

Aさんの場合、普段からfreeeを使って帳簿をつけていたので、データの出力は簡単でした。でも、領収書の整理が大変だったみたいです。

「先生、レシートがぐちゃぐちゃになってて、もう諦めたくなります」なんて言ってましたね(笑)

Step3: 想定質問の準備

税務調査では、必ずといっていいほど以下のような質問をされます:

  • 売上の計上時期は適切か
  • 経費として計上している項目は事業に関連するものか
  • 家事按分(自宅兼事務所など)の計算根拠
  • 外注費と給与の区分は適切か

僕とAさんで、これらの質問に対する回答を事前に整理しました。特に、自宅兼事務所の家事按分については、面積比や使用時間を明確にしておきました。

いよいよ税務調査当日

調査官の印象

当日来られたのは、40代くらいの男性調査官1名。思っていたより普通の人で、Aさんも「あ、意外と怖くない」って言ってました。

最初に「今日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます」と挨拶されて、なんか拍子抜けしちゃいました。

調査の流れ(所要時間:約4時間)

1時間目:事業概要の聞き取り

  • どんな仕事をしているか
  • 主な取引先はどこか
  • 売上の発生パターン

2時間目:帳簿の確認

  • 売上台帳と通帳の照合
  • 大きな取引の詳細確認
  • 売上計上のタイミング

3時間目:経費の確認

  • 経費として計上している項目の確認
  • 領収書との照合
  • 家事按分の根拠

4時間目:その他の項目

  • 消費税の取り扱い
  • 青色申告特別控除の要件確認

指摘された項目と対応

実は、Aさんの調査では2つほど指摘事項がありました。

指摘事項1:売上の計上漏れ

12月に完了した案件の売上を、翌年1月に計上していた件。これは完全にAさんのミスで、約30万円の売上計上漏れでした。

「あー、これは完全に私のミスです」とAさんが素直に認めたところ、調査官も「分かりました。修正申告で対応してください」とあっさりした感じでした。

指摘事項2:経費の一部否認

パソコンの購入費用の一部が、プライベート使用分として否認されました。Aさんは「仕事でしか使ってない」と主張しましたが、明確な根拠を示せなかったため、3割程度がプライベート使用として否認。

税務調査終了後の手続き

調査終了後は、指摘事項に基づいて修正申告を行いました。

追加納税額

  • 所得税:約8万円
  • 住民税:約3万円
  • 延滞税・加算税:約2万円
  • 合計:約13万円

Aさんは「思ったより少なくて良かった」と言ってました。確かに、ネットで見るような「数百万円の追徴課税」なんてことは全然ありませんでした。

税務調査を振り返って学んだこと

1. 普段からの記帳が重要

今回、Aさんが比較的スムーズに調査を乗り切れたのは、普段からきちんと帳簿をつけていたからです。freeeなどの会計ソフトを使って、月次でしっかり記帳していたのが良かったですね。

2. 素直な対応が大切

指摘事項について、Aさんが素直に「ミスでした」と認めたのも良かったと思います。変に言い訳したり、隠そうとしたりすると、調査官の心証が悪くなる可能性があります。

3. 専門家のサポートがあると安心

今回、僕が立ち会ったことで、Aさんの精神的負担はかなり軽減されたと思います。一人で対応するのは不安ですからね。

フリーランスが税務調査で注意すべきポイント

売上の計上時期

特にWeb関係の仕事をしている方は、案件の完了時期と入金時期がずれることが多いので注意が必要です。原則として、仕事が完了した時点で売上を計上する必要があります。

経費の線引き

自宅兼事務所の場合の家事按分、プライベートでも使う物品の経費計上など、グレーゾーンが多い分野です。明確な根拠を持って計上することが大切ですね。

外注費と給与の区分

他のフリーランスに仕事を依頼した場合、それが外注費なのか給与なのかで税務上の取り扱いが変わります。契約書をしっかり作成しておくことが重要です。

まとめ:税務調査は怖くない

今回のAさんの事例を通じて、税務調査は決して恐ろしいものではないということが分かっていただけたでしょうか。

確かに緊張しますし、準備も大変です。でも、普段からきちんと記帳して、適切に申告していれば、大きな問題になることはほとんどありません。

もし税務調査の連絡があっても、慌てずに専門家に相談して、しっかり準備して臨めば大丈夫です。

最後に、もし税務調査でお困りのことがあれば、いつでもご相談ください。一緒に乗り切りましょう!

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この記事を書いた人

岩本隆一のアバター 岩本隆一 税理士

横浜に根ざす税理士として、“今すぐ困っている”小規模事業者を支援しています。強みは、初回から代表が直接ヒアリングし、その日のうちに方針とやることを明確化する即応性。年商2,000万円前後/従業員0~3名の実情に合わせ、記帳から申告、調査当日の立会いまで一気通貫で伴走。資料不足・過去分の整理・夜間土日相談も歓迎。横浜のフットワークと、やさしい説明で不安を最短で解消します。

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