税務調査で経費はどこまで認められる?調査官が見るポイントと対策完全ガイド
税理士の岩本隆一です。税務調査のご依頼募集中です。
今日は税務調査について話したいんですけど、みなさん「経費ってどこまで大丈夫なの?」って気になりませんか?
僕も税理士として色々な税務調査に立ち会ってきましたが、正直言うと「これは微妙だな…」って思うケースも結構あるんですよね。でも、調査官の視点を理解すれば、実は怖がることはないんです。
そもそも税務調査官は何を見ているのか?
税務調査で調査官が最初にチェックするのは、「その経費が本当に事業に必要だったか?」という点です。
これ、当たり前に聞こえるかもしれませんが、実際は結構奥が深くて。例えば、同じ「食事代」でも、取引先との打ち合わせで使ったものと、家族との食事代では全く扱いが違いますよね。
調査官は以下の3つのポイントを重点的に見ています:
1. 事業関連性 その支出が本当に事業に関係があるか?これが一番大事です。
2. 金額の妥当性 業務内容や売上規模に対して、その経費の金額が適正か?
3. 証拠書類の整備 領収書やレシート、契約書などの証拠がきちんと保管されているか?
経費として認められる範囲の具体例
🟢 OKな経費
- 消耗品費: 文房具、コピー用紙、パソコンの周辺機器など
- 通信費: 事業用の電話代、インターネット代
- 旅費交通費: 業務で使った電車代、タクシー代、宿泊費
- 広告宣伝費: チラシ作成費、ネット広告費
🟡 条件付きでOKな経費
- 接待交際費: 取引先との食事代(ただし上限あり)
- 家事按分が必要な費用: 自宅兼事務所の光熱費、通信費
- 研修費: 業務に直接関係する研修やセミナー代
🔴 NGな経費
- 家族との食事代: プライベートな支出
- 私的な旅行代: 観光目的の支出
- 生活用品: 業務と関係ない日用品
税務調査官が「怪しい」と思う経費の特徴
僕が見てきた中で、調査官が特に注目するのはこんな経費です:
売上に対して異常に高い経費 例えば、売上1000万円なのに接待交際費が300万円とか。合理的な説明が必要になりますね。
現金支払いが多すぎる経費 領収書だけで証拠が薄い支出。特に高額なものは要注意です。
プライベートと混在しやすい経費 車両費、通信費、光熱費など。きちんと按分計算していないと指摘されがちです。
税務調査で経費を守るための対策
対策1: 証拠書類をしっかり保管する
これ、本当に大事です。領収書だけじゃなくて、「なぜその支出をしたのか」がわかるメモも一緒に保管しておくと良いですね。
例えば:
- 取引先との食事 → 参加者名、打ち合わせ内容をメモ
- 研修参加費 → 研修内容と業務への活用方法を記録
- 交通費 → 訪問先と用件を記録
対策2: 家事按分は明確な基準を作る
自宅兼事務所の場合、光熱費や通信費の按分基準を明確にしておきましょう。
僕がおすすめするのは:
- 面積按分: 事務所部分の面積 ÷ 総面積
- 時間按分: 事業使用時間 ÷ 総使用時間
- 使用頻度按分: 事業での使用頻度を数値化
対策3: グレーゾーンは事前に相談
「これって経費になるのかな?」と迷ったら、事前に税理士に相談するのが一番です。後から「実はダメでした」となるより、最初からクリアにしておく方が安心ですよね。
実際の税務調査での対応のコツ
税務調査が入った時の対応も重要です。
調査官とは誠実にコミュニケーションを取る 隠し事をしたり、嘘をついたりするのは絶対NG。わからないことは「わからない」と素直に言う方が印象が良いです。
説明できる経費だけを計上する 「なぜこの経費が必要だったのか」を論理的に説明できない経費は、最初から計上しない方が無難です。
税理士に立ち会ってもらう 税理士が立ち会うことで、適切な対応ができるし、調査官との交渉もスムーズに進みます。
まとめ: 税務調査を怖がる必要はない
税務調査って聞くと身構えてしまいがちですが、適正に経費を計上していれば怖がる必要はありません。
大切なのは:
- 事業に必要な支出だけを経費にする
- きちんと証拠書類を保管する
- グレーゾーンは事前に確認する
- 税務調査では誠実に対応する
これらを守っていれば、税務調査が来ても堂々と対応できるはずです。
もし税務調査についてご不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。事前の準備から調査当日の立ち会いまで、しっかりサポートさせていただきます。
税金のことって複雑で分かりにくいことが多いですが、正しい知識があれば全然怖くないんです。一緒に適正な税務処理を心がけていきましょう!