税務調査の流れとは？事前準備から調査終了まで徹底ガイド

どうも、税理士の岩本隆一です。税務調査のご依頼募集中です。

税務調査って聞くと、なんだか怖いイメージありませんか？僕も業界に入る前はビビってました（笑）。でも実際に何度も立ち会ってみると、流れさえ理解していれば全然怖くないんですよね。

今日は税務調査の流れについて、できるだけ分かりやすく解説していきます。「税務調査って何するの？」「どんな準備が必要？」そんな疑問を持つ方の参考になれば嬉しいです。

税務調査のタイミングと時期

まず「いつ税務調査が来るの？」という話から。

税務調査には明確な「狙い撃ち」のタイミングがあります。一般的に多いのは7月から12月の時期。なんでかっていうと、税務署の人事異動が7月にあるのでその後に調査に行く感じですね。

僕の経験上、こんな会社や個人が狙われやすいです：

• 現金商売（飲食店、美容院など）
• ネット通販で急成長
• 相続があった個人
• 過去に申告漏れがあった

要するに「お金の流れが見えにくい」「急に変化があった」ところが注目されるんですね。

税務調査通知の受け取り方

税務調査の通知は、いきなり来ます。本当に。

電話での事前連絡が基本パターン。朝の10時頃に税務署から電話がかかってきて「〇〇税務署の△△と申します。税務調査をさせていただきたく…」みたいな感じ。

この時点で多くの人がパニックになるんですが、落ち着いてください。電話では以下の内容を確認されます：

• 調査の日程調整
• 必要な書類の確認
• 立会人（税理士など）の有無
• 調査場所（通常は事業所や自宅）

正式な通知書も後日郵送されてきます。調査日時、調査官の名前、調査対象期間などが記載されています。

ここで大切なのは「断れるのか？」という点。基本的に税務調査は法的義務なので断れません。ただし、日程調整は可能です。忙しい時期や重要な会議がある場合は、遠慮なく相談してOK。

顧問税理士がいる場合は、必ず連絡を入れましょう。税理士に立ち会ってもらうことで、不適切な質問を避けたり、適切なアドバイスを受けたりできます。

通知から調査まで

通知を受けてから実際の調査まで、通常1〜2週間の準備期間があります。この期間が超重要。

必要書類の準備

調査官から要求される書類は主にこれら：

帳簿関係

• 総勘定元帳
• 仕訳帳
• 現金出納帳
• 預金通帳
• 請求書・領収書

契約書類

• 取引先との契約書
• 賃貸契約書
• 保険契約書
• ローン契約書

その他

• 定款・登記簿謄本（法人の場合）
• 株主総会議事録
• 取締役会議事録

書類は調査対象期間分（通常3年分）すべて必要です。「あの領収書どこいったっけ？」となる前に、日頃から整理整頓しておくのがベストですね。

心構えと対応方針

調査前に決めておくべきことがあります：

1. 誰が対応するか – 社長一人？経理担当者も？
2. 答え方の方針 – 聞かれたことだけ答える、余計なことは言わない
3. グレーゾーンの処理 – 判断に迷った経費処理などの説明準備

僕がクライアントによく言うのは「正直に、でも余計なおしゃべりはしない」ということ。調査官は会話のプロなので、ついつい関係ない話をしてしまうと、そこから問題が発覚することもあるんです。

調査当日

いよいよ調査当日。大体朝10時スタートが多いです。

調査の流れ

1. 概況聞き取り（30分〜1時間） 事業内容、取引先、従業員数など基本的な質問から始まります。緊張せずに、事実をそのまま答えればOK。

2. 帳簿・書類の確認（2〜4時間） ここがメイン。調査官が帳簿をパラパラめくりながら、気になる取引をピックアップしていきます。

「この経費、詳しく教えてもらえますか？」 「この売上の相手先はどちらですか？」

こんな感じで質問されます。答えられない場合は「確認します」と言って、後日回答でも大丈夫。

3. 現場確認 事務所や倉庫を見て回ることもあります。在庫の確認や、実際の業務フローの把握が目的です。

当日の注意点

• 来客用のお茶は出さない – 接待と取られる可能性があります
• 余計な話はしない – 調査に関係ない雑談は避ける
• 分からないことは素直に「分からない」 – 適当に答えるのは危険
• メモを取る – 調査官の質問内容や指摘事項を記録

調査は通常1日で終わりますが、複雑な場合は2〜3日かかることも。法人規模が大きいと1週間以上の場合もあります。

調査後

調査が終わったら、結果が出るまで2週間〜1ヶ月程度待ちます。

3つの結果パターン

1. 申告是認（何も問題なし） 「特に問題ありませんでした」で終了。一番ハッピーな結果ですね。

2. 修正申告 「ここの経費は認められませんね」「この売上が漏れてますね」といった指摘があった場合。修正申告書を提出して、追加の税金を納めます。

3. 更正処分 修正申告に応じない場合、税務署が一方的に税額を決定。こうなると不服申し立てもできますが、時間と労力がかかります。

追徴税額の内訳

問題が見つかった場合の追加負担：

• 本税 – 元々払うべきだった税金
• 延滞税 – 期限後に払う利息みたいなもの
• 過少申告加算税 – ペナルティ（10〜15%）
• 重加算税 – 悪質な場合のペナルティ（35〜40%）

「知らなかった」「うっかり」なら過少申告加算税まで。でも意図的に隠していたとなると重加算税が課されます。これが一番痛い。

今後の対応

調査後は再発防止が大切：

• 指摘された点の改善
• 経理処理の見直し
• 税理士との連携強化
• 定期的な自主点検

一度調査を受けると、しばらく（5〜7年程度）は調査対象になりにくいと言われています。でも油断は禁物。適正な申告を続けることが一番の対策です。

まとめ

税務調査の流れをまとめると：

1. 通知受領 – 電話連絡→正式通知書
2. 準備期間 – 書類整理、心構え、方針決定
3. 調査当日 – 概況聞き取り→帳簿確認→現場確認
4. 調査後 – 結果待ち→必要に応じて修正申告

大切なのは「正直に対応すること」「準備を怠らないこと」「必要に応じて専門家に相談すること」です。

税務調査は確かに面倒ですが、適正な申告をしていれば怖がる必要はありません。むしろ「自分の経理処理を見直すチャンス」くらいに思えば、少し気が楽になるかもしれませんね。

もし税務調査の通知が来て不安な方がいらっしゃいましたら、遠慮なくご相談ください。一緒に乗り切りましょう！

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税理士　岩本隆一

登録番号140245　東京地方税理士会横浜中央支部

岩本隆一税理士事務所代表
税理士業界歴19年。税務調査回数106回。無申告案件346件の経験を持つ税理士です。（2025/04/30現在）
【相談事例】
建設業A社は5年間無申告状態で税務調査が入りました。
①初回面談で詳細なヒアリング
②2回目の面談で税務調査対応の練習
③税務調査当日の適切な対応
④調査後に経費計上の交渉を行う
結果として当初想定指定した追徴税額5,000万円から1,200万円へと3,800万円の減額に成功したことがある。
【セミナー実績】
あなたの帳簿、AIに丸見えです！デジタル時代の税務調査リスクと防衛術（株式会社ジャイアントキリング主催）
電子帳簿保存法説明会（公益社団法人横浜中法人会研修委員会主催）
「岩本先生にお願いして本当によかった」と言われることが何よりの喜びです。