相続税の税務調査とは?対象になる基準と対策方法を完全解説
税理士の岩本隆一です。税務調査のご依頼募集中です。
今日は「相続税の税務調査」について、めちゃくちゃ分かりやすく解説していきます。
突然ですが、親族が亡くなって相続手続きをしていたら、税務署から「税務調査をします」という連絡が来たらどうしますか?正直、パニックになりますよね。でも大丈夫です。きちんと理解して準備すれば、そんなに怖いものじゃありません。
そもそも相続税の税務調査って何?
相続税の税務調査とは、税務署が「この相続税申告、本当に正しいの?」をチェックする作業のことです。
普通の所得税の税務調査と違って、相続税の税務調査にはちょっと特殊な事情があります。というのも、亡くなった人はもういないので、直接話を聞けないんですよね。だから、残された家族や関係者から詳しく事情を聞く必要があるわけです。
税務調査の対象になる基準は?
「うちは大丈夫かな?」って心配になりますよね。実は、相続税の税務調査には明確な選定基準があります。
1. 相続財産の規模
基本的に、相続財産が大きいほど調査対象になりやすいです。目安としては
- 1億円以上:かなり高確率
- 5000万円~1億円:中程度の確率
- 基礎控除ギリギリ:低確率(ただしゼロではない)
2. 申告内容の不自然さ
- 預貯金が(税務署が照会した金額に比べて)少ない
- (事前に照会した)預貯金の流れから生前贈与を貯金の流れから生前贈与っている形跡がある。
- 土地の評価額が路線価などと大きく違う
- 申告書の記載内容に矛盾がある
3. 過去の取引履歴
- 亡くなる直前に大きな現金移動があった(前に大きな現金移動があったが申告内容に考慮されている気配がない)
- 生前や死亡後の不動産の売買が頻繁
- やたら相続税対策を行っている気配がある。
実際の調査はどんな感じで進むの?
税務調査って聞くと、映画みたいに家宅捜索されるイメージがありませんか?実際は全然違います。
Step1: 事前通知
まず税務署から電話で連絡が来ます。「○月○日に税務調査をさせていただきたい」という感じで、けっこう丁寧です。
Step2: 日程調整
相続人の都合を聞いて、調査日を決めます。平日の日中が基本ですが、相談すれば多少は融通がききます。
Step3: 実地調査
税務調査官が自宅や税理士事務所に来て、書類をチェックしたり質問したりします。時間は大体3~6時間程度。
Step4: 結果通知
問題なければそのまま終了。修正が必要な場合は、修正申告書の提出を求められます。
絶対に準備しておくべき書類
税務調査で絶対に求められる書類があります。事前に準備しておけば、調査がスムーズに進みます。
基本書類
- 被相続人の過去10年分の通帳
- 相続人全員の通帳
- 不動産の登記簿謄本
- 固定資産税の課税明細書
- 生命保険の証券・支払調書
- 株式の取引履歴
- 未払金の領収書
- 葬儀費用の領収書
- 生前贈与の契約書
- 借入金の契約書
税務調査で指摘されやすいポイント
実際の調査でよく指摘される項目をお教えします。
1. 名義預金
これが一番多いです。親が子供名義で作った預金って、実は相続財産になることが多いんです。「子供が知らない預金」「子供が管理していない預金」は要注意。
2. タンス預金
最近増えてるのがこれ。「現金で保管していた」って申告しても、その出所が説明できないと追加課税されちゃいます。
税務調査への対策方法
事前準備が9割
税務調査で一番大切なのは事前準備です。調査官に「この人たちはちゃんとしてるな」と思わせることができれば、調査時間も短くなるし、余計な疑いをかけられることもありません。
正直に答える
変に隠そうとしたり、嘘をついたりするのは絶対NG。分からないことは「分からない」と正直に答えるのが一番です。
税理士に相談
税理士に依頼するのが一番確実です。特に、相続税に詳しい税理士なら、調査官とのやり取りもスムーズに進められます。
まとめ:税務調査は準備次第で怖くない
相続税の税務調査って聞くと身構えちゃいますが、きちんと準備して正直に対応すれば、そんなに怖いものじゃありません。
大切なのは:
- 必要書類をきちんと保管しておく
- 申告内容に間違いがないか事前にチェックする
- 分からないことは専門家に相談する
もし税務調査の通知が来てしまったら、一人で悩まずに相続税専門の税理士に相談してください。適切なサポートがあれば、きっと無事に乗り切れますよ。
相続税や税務調査でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に最適な解決方法を見つけましょう!