調査後の追徴・修正申告ガイド:税務調査の基本から納税まで徹底解説

みなさんこんにちは、税理士の岩本隆一です。無申告や税務調査を多く取り扱っている税理士事務所を営んでいます。(いつでもお問い合わせください!!)
税務調査。
この4文字を見ただけで心臓がバクバクする人も多いのではないでしょうか。
ぼくが税理士になって15年、今まで数百件の税務調査に立ち会ってきましたが、正直なところ「よかった〜!ラッキー!」と喜ぶ人はいません。だって、これまでの経験上、調査対象に選ばれた時点で何らかの「指摘」を受ける確率は80%を超えるからです。
しかも憎いことに、税務署はなぜあなたが調査対象になったのか、その理由を絶対に教えてくれません。
「申告内容の確認のため」
これ以上の説明はほぼ100%ありません。まるで刑事ドラマの取調室。
「お前が犯人だと思ってる証拠は言えないけど、自白したら減刑してやるよ」
みたいな雰囲気すらあります(笑)
実は昨日も、都内で飲食店を経営するA社長から「税務調査の通知が来た。どうすればいい?」という緊急SOS。今日はそんな税務調査後のプロセス、特に追徴課税と修正申告について、徹底的に解説していきます。
1. なぜあなたが税務調査の対象になったのか?
正直に言いましょう。
あなたが税務調査の対象になったのは、99%の確率で「何か怪しい点がある」からです。
あの忖度とおもてなしの国・日本で、税務署だけはなぜか徹底した合理主義。ランダムに「お宅に伺います」なんてことはまずありません。
こう言ってはなんですが、税務署はかなり効率的に「獲物」を選定しています。ぼくの顧問先で税務調査が入ったケースを振り返ると、次のような特徴があります。
法人の場合👇
- 売上や利益が🔥急激に増減している🔥
- 過去にペナルティを食らっている
- 飲食業、建設業、コンサル業など💰現金取引の多い業種💰
- 開業から3年以上たっている(税務署としては「たっぷり3年分いただきます😋」)
- 消費税の還付申告をしている(これマジで目をつけられます)
- うっかり10年も調査されていない(「そろそろご無沙汰してます」フラグ)
個人の場合👇
- そもそも確定申告してない(無申告)
- 売上と経費のバランスが超不自然
- 毎年の売上が1,000万円をギリギリ下回っている(消費税逃れ丸見え)
- 「経費です😇」が多すぎる(旅行を「視察」にする勇者たち)
- 現金商売が多い(飲食店、美容院など)
- 急に爆売れしている
- 金持ち自慢のSNSをやってる(マジで見られてます)
ぼくが驚いたのは、国税庁のデータ。
税務調査で修正申告に至る確率は法人で約76%、個人の所得税・消費税調査では8割超、相続税調査ではなんと9割近く!
つまり、「調査に行きます」と言われた時点で、ほぼ確実に「何か指摘される」と思っておいた方が良いです。
いま税務署は凄まじいAIとビッグデータを駆使しています。過去の膨大な申告データを分析して、「この申告、怪しくない?🤔」と思われる納税者を効率よく狙い撃ちしているのです。
タバコを吸ってるから肺がんになるとは限りませんが、肺がんの人の多くはタバコを吸っています。それと同じで、「税務調査を受ける⇒問題がある」とは限りませんが、「問題のある納税者⇒税務調査を受ける」確率は非常に高いのです。
2. 税務調査の通知から当日までの対応
「調査に伺います」の電話がきたらどうする?
ある日突然、オフィスの電話が鳴り、出てみると…
「国税局の鈴木です。申告内容の確認のため、○月○日に伺いたいのですが」
まさに青天の霹靂。しかも、恐ろしいことに税務署は電話でしか通知してきません。「書面で通知してください」と言っても「法律上、電話での通知で十分です」と門前払い。
この瞬間、もう心理戦は始まっています。
でも、ここで大事なのは「落ち着くこと」。だいたい調査は1~3週間後に設定されるので、その間に準備できます。逆に言えば、「準備する時間を与えるくらいだから、そこまで緊急の案件じゃない」とも言えます。ホントに緊急案件なら、明日にでも来ますからね😅
通知内容は主に以下のとおり👇
- 調査日時(通常は午前10時くらいから)
- 調査場所(基本的にあなたの事務所)
- 調査目的(99%のケースで「申告内容の確認のため」という無意味な回答)
- 対象税目(法人税、所得税、消費税など)
- 対象期間(基本は直近3年分。ヤバいと最大7年)
- 準備すべき書類(やたら多い)
- 調査担当者の名前と連絡先
この電話の対応で最初の印象が決まります。友達に「飲みに行こう」と誘われたときに「えー、面倒くさい」と言うのと同じで、「えー、忙しいんですけど」みたいな対応をすると、「非協力的な納税者」のレッテルを貼られます。でも、かといって「ぜひぜひ!お待ちしております!!」みたいな不自然な対応も逆効果😂
調査までに何を準備すればいいの?
これが最大のヤマ場。準備が9割です。
以下の書類をとにかく整理しましょう👇
- 決算書(3期分)
- 総勘定元帳、仕訳帳(3年分すべて)
- 現金出納帳、預金通帳(個人口座も見られる可能性あり)
- 請求書、領収書、契約書(特に高額なもの)
- 給与台帳、従業員名簿、タイムカード
- 棚卸表(在庫関係)
- 定款、議事録(法人の場合)
さらに恐ろしいことに、PCのデータも調査対象になります。会計ソフトのデータや、見積書・請求書のデータ、メールまで見られることも。
調査官は金庫や机の中まで確認します。
つまり…
「何も隠せない」と思って準備した方がいい
のです。
税理士をつける?つけない?
結論から言うと、税務調査には絶対に税理士をつけるべきです。
ぼくの経験では、税理士なしで調査を受けた場合と税理士ありの場合では、追徴課税額が1.5〜2倍違うことも珍しくありません。つまり、税理士費用の3〜5倍のリターンがあるということです。
「税務調査に強い」税理士は、次のことをしてくれます👇
- 調査のヤマ(焦点)を予測して対策
- 調査官との専門的な交渉を担当
- 「それは税法上OK」「それは無理筋の指摘」など、あなたの権利を守るための的確な判断
特に元国税OBの税理士は「あいつら(調査官)がどう考えるか」が手に取るようにわかるので、事前対策が的確です。
費用は、日当3〜6万円×日数+修正申告対応5〜20万円が相場。高いと思うかもしれませんが、「保険」と思えば安いものです。追徴課税額が半分になれば、すぐに元が取れます。
3. 調査当日の心構えと対応
調査官が来た!どう接する?
ピンポーン🔔
「お世話になります。国税局の鈴木です。本日はよろしくお願いします」
スーツ姿の調査官が2〜3人、カバンを持って現れます。まるで「半沢直樹」の1シーンのよう。
ここからが真の心理戦です。
何よりも大事な基本姿勢は以下の5つ👇
- 「敵」と思わない(敵対的な態度は最悪の選択)
- 聞かれたことには正直に答える(嘘は論外)
- ただし「聞かれたこと以外は答えない」
- わからないことは「確認します」と言って後回し
- 書類の要求にはサクッと応じる
特に注意したいのが「世間話」です。
「昼はいつも何を食べるんですか?」 「休日はどう過ごされるんですか?」 「この前の連休はどこか行かれました?」
こんな雑談に見える質問も、実は超重要な調査の一環。「毎日高級ランチなのに申告所得は少ない」「海外旅行好きなのに収入は微妙」といった生活水準と申告内容の矛盾を探っているのです。
ある飲食店経営者が「毎日家族で自分の店で食事している」と言ったら、「それなら家族の食事代も売上計上されていますよね?」と突っ込まれてアウト。こんなケースは日常茶飯事です。
また、調査中に調査官が「この書類を持ち帰って調査したい」と言うことがあります。これを「留置き」と言います。断ることもできますが、それだと「隠したいことがあるのかな?🤔」と思われるリスクも。
もし「留置き」を了承する場合は、必ず「預かり証」をもらい、自分用にコピーを取っておきましょう。調査官が「コピーは不要です」と言っても、絶対に取っておくべきです。この一手間が後々の争いを防ぎます。
4. 調査結果とペナルティの種類
さて、1〜3日の長い調査を経て、ついに「結果」の時が来ます。結果は主に3つのパターン👇
申告是認(完全勝利)
「あなたの申告に問題はありませんでした」という奇跡。通称「是認通知書」が送られてきて、調査終了です。
…が、実はこれ、ほぼ「幻」です。
ぼくが15年間で見た是認事例は、数百件中わずか5件程度。しかもその5件は、「申告漏れが軽微すぎて修正申告の手間が割に合わない」というケースばかりでした。
完璧な申告をしてても「何か」指摘されます。なぜなら、調査官は「何もなかった」という結果を上司に報告しづらいから。つまり…
調査官も「成果」を求められている
ということです。
修正申告(和解)
圧倒的多数派がこのパターン。調査官が「ここがこう間違ってますね」と指摘し、納税者が「うーん、まあ確かに…」と渋々同意して修正申告する流れです。
税務調査はケンカではなく「交渉」です。調査官の言い分に100%納得できなくても、大きな争点ではなければ「まあいいか」と受け入れるのが一般的。「この程度なら和解金として払うか…」という感覚です。
更正処分(全面戦争)
納税者が「絶対に認められません!」と指摘を拒否したとき、税務署が「じゃあこちらで決めますね」と強制的に税額を変更する処分です。
いわば「全面戦争」の宣言。この場合、納税者は「不服申立て」という反撃手段を取れますが、そこから数年の戦いが始まります。勝つ可能性は…正直言って低いです💦
5. 追徴課税の内訳とペナルティの種類
「追徴課税」は、本来払うべきだった税金(本税)+ペナルティ(加算税)+利息(延滞税)の総称です。
ペナルティの種類を知っておくと、調査官との交渉に役立ちます👇
過少申告加算税(軽いペナルティ)
- いつ適用?:申告はしたけど金額が少なかった場合
- 税率:基本は追徴税額の10%、ただし追徴税額が元の申告税額や50万円を超える部分は15%
- 回避方法:調査通知前に自主的に修正申告すれば、原則かからない!
これは「申告はしたけど間違ってたね」という比較的軽いペナルティです。調査前に「あ、間違ってた!」と自ら修正申告すれば免除される可能性が高いのがポイント。
無申告加算税(中くらいのペナルティ)
- いつ適用?:そもそも申告期限までに申告してなかった場合
- 税率:納付すべき税額の15%(50万円超は20%、300万円超は30%と段階的に上がる)
- 軽減策:税務署に言われる前に自分から申告すれば5%に下がる
申告しなかったのは「過少申告」より悪質と見なされます。でも、調査前に「すみません、申告忘れてました!」と自主申告すれば、ペナルティは大幅に軽減されます。
不納付加算税(源泉税専用のペナルティ)
- いつ適用?:源泉徴収した税金を納めなかった場合
- 税率:納付すべき税額の10%
- 軽減策:指摘前の自主納付で5%に軽減
これは主に「給与から源泉徴収した所得税」を納めてない会社向けのペナルティです。
重加算税(超重いペナルティ)
- いつ適用?:帳簿の改ざん、二重帳簿、証拠隠滅など「わざと」やった悪質なケース
- 税率:過少申告・不納付なら35%、無申告なら40%という重罰
- さらに過去にも同じことをやってたら、+10%の上乗せも
これはもう「脱税」認定されたも同然のペナルティ。税務署が「あなた、ワザとやったでしょ?😠」と判断した場合に課されます。
今後の調査でもマークされるだけでなく、悪質だと刑事告発まであるので絶対に
6. 修正申告が必要な場合の手続き
修正申告が必要になる主な原因としては、以下のようなケースがよく見られます:
- 収入の計上漏れ(副業収入、フリーランスの報酬、暗号資産の利益など)
- 控除・経費の誤り(事業に関係のない個人的支出を経費計上など)
- 単純な計算ミス
- 売上や経費を計上する事業年度の誤り
- 棚卸資産(在庫)の計上漏れや評価誤り
- 消費税関連の誤り(課税売上高の計算ミス、仕入税額控除の適用誤りなど)
- 源泉所得税の計算・納付漏れ
- 印紙税の貼り忘れ
修正申告の手続きステップ
- 申告書の入手:修正対象となる年度の確定申告書を入手(税務署窓口や国税庁ウェブサイト)
- 申告書の記入:
- 「申告書」の前に「修正」と追記
- 「種類」欄の「修正」に〇をつける
- 申告書全体に訂正後の正しい金額を記入(変更点だけではない)
- 「修正申告」欄に修正前の申告税額と今回の増加税額を記入
- 修正理由を具体的に記入(例:「〇〇からの給与所得計上漏れのため」)
- 必要書類:記入済みの修正申告書、本人確認書類の写し(郵送・窓口提出の場合)
- 提出:住所地を管轄する税務署に提出(郵送、窓口持参、e-Tax)
修正申告自体には明確な提出期限はありませんが、延滞税は本来の納期限の翌日から発生し続けるため、一日でも早く修正申告・納税することが金銭的負担を最小限に抑えるポイントです。また、修正申告によって追加で納める税金は、修正申告書を提出した日が納期限となります。
税務調査の通知後や調査中に修正申告を行うと、自主的に行う場合よりも高い加算税が課される可能性があります。また、税務署から「更正」処分を受けた後は、その処分内容について修正申告をすることはできなくなります。
7. 追徴税額の納付プロセス
納付までの流れと期限
- 修正申告の場合:追加の本税は修正申告書の提出日が納期限
- 更正の場合:更正通知書に記載された納期限までに本税を納付
- 加算税・延滞税:別途、後日税務署から納付書が送られてくる(通常1~2ヶ月後)
納付方法
追徴課税の納付には様々な方法があります:
- 窓口での現金納付:金融機関や税務署の窓口で納付書を使って支払い
- ダイレクト納付:事前登録した預金口座から引き落とし
- インターネットバンキング:e-Taxで納付情報を登録して支払い
- クレジットカード納付:決済手数料がかかるが、引き落とし日まで支払い猶予
- スマホアプリ納付:PayPay、d払いなどで30万円以下なら支払い可能
- コンビニ納付:QRコードをコンビニ端末で読み取り、30万円以下なら支払い可能
- 予納:修正申告書提出前に確定見込みの税額をあらかじめ納付する方法
追徴課税は原則として一括で納付する必要がありますが、どうしても一括納付が困難な場合は「納税の猶予」や「換価の猶予」制度を利用できる可能性があります。これは災害、病気、事業の著しい損失など特定のやむを得ない事情がある場合に、納税を最大1年程度猶予してもらえる制度です。ただし、猶予期間中も延滞税は発生し続けるため、あくまで最終手段と考えましょう。
8. 修正申告をしないリスクと自主申告の判断
修正申告すべき誤りに気づいた場合、「まぁバレないだろう」と放置するのはとんでもなく危険です。
修正申告をしないとどうなる?(地獄への片道切符)
- ペナルティ地獄:税務署からの指摘を待つと、自主修正よりも高い加算税が課される
- 延滞税の雪だるま:放置すればするほど延滞税が膨れ上がる(年8.7%の金利は恐ろしい)
- 青色申告取消し:悪質な申告漏れで青色申告の承認が取り消されると、最大65万円の特別控除や赤字の繰越控除といった特典が消滅
- 社会的信用ダウン:税金の滞納や脱税は、銀行融資や取引先との契約で信用低下の致命傷に
- 差押え:督促を無視し続けると、預金口座や不動産が差し押さえられるリスク
- 刑事罰:悪質な脱税は懲役刑や罰金刑の対象に(特に法人は代表者が罰せられる)
- マークされる:一度重加算税を食らうと、「要注意納税者リスト」に載り、今後10年くらいは高頻度で税務調査の対象に
自主修正のメリット(リスク管理の王道)
- ペナルティ激減:調査通知前の自主修正なら過少申告加算税はほぼゼロ
- 延滞税の最小化:早期納付で延滞税の累積を抑制
- 税務署からの信頼獲得:「正直者」という印象を植え付けられる
- 精神的安心:「いつバレるか」という不安から解放される
自主修正のデメリット(まぁこれは仕方ない)
- 他の調査を呼び込む可能性:「この人、自主修正してきたってことは他にも何かあるかも?」と思われるリスク
- 手間とコスト:修正作業や税理士費用の負担
- 納税資金の確保:追加税金を納付する資金が必要
- 不服申立て権利の放棄:修正申告後は基本的に「納得した」とみなされ、後から争いづらい
さて、どうする?自主修正か否か
- 調査通知前:迷わず自主修正。ペナルティ激減のチャンス
- 調査通知後~調査開始前:微妙な状況。でも通知後でも調査官が具体的な指摘をする前なら、まだペナルティ軽減の可能性あり
- 調査中・調査後:指摘を受けたら、税理士と相談の上で判断。納得できなければ戦う道も(ただし勝率は低い)
ぼくの経験では、「○○万円の追徴課税になるかも」と恐れていた顧問先が、調査前に自主修正したら「過少申告加算税免除」になり、結果として30%以上の節税になったケースがたくさんあります。
保険と同じで、「最悪の事態を避けるため」の先行投資と考えれば、自主修正はそれほど悪い選択ではないかもしれません。
9. 専門家への相談とサポート
税務調査や修正申告は絶対に「一人で抱え込まない」ことが鉄則です。
国税庁・税務署の相談窓口(でも期待は禁物)
- 国税庁ウェブサイト:税情報、タックスアンサーなど基本情報はここで
- 電話相談センター:一般的な質問なら対応してくれる
- 税務署での面接相談:事前予約制で対面相談可能
でも、これらの窓口には明確な限界があります。「どうすれば税金を安くできるか」「この経費は認められるのか」といった踏み込んだ相談には答えてくれません。彼らは「徴収する側」ですから、「納税者の利益」を最優先してくれるわけではないのです。
無料相談は「お試し」程度に
- 税理士会の無料相談会:25分以内の短時間相談が基本
- 市区町村役場の相談会:時間や内容に制限あり
- 税理士事務所の初回無料相談:ほとんどの事務所がやっている「お試し」
どれも「入門編」程度の相談にとどまり、実際の税務調査対応や複雑な修正申告の全面サポートは期待できません。入口としては良いですが、本格的な対応には有料相談が必須です。
「税務調査に強い」税理士を見極める方法
税務調査は税理士業務の中でも特殊な分野。「決算申告は上手くても調査対応は下手」という税理士も少なくありません。
「税務調査のプロ」の見分け方👇
- 税務調査の対応実績を具体的に聞く(「年間○○件」など)
- 元国税OBかどうか(内部事情に詳しい)
- あなたの業種の税務に詳しいか
- 交渉上手かどうか(調査官との駆け引きが大事)
- 予防策も提案してくれるか(たとえば「書面添付制度」など)
- 相性と信頼関係(この人に守ってもらいたいと思えるか)
ぼくが税務調査対応で特に重視するのは「交渉力」です。法律や会計の知識はベースとして当然必要ですが、それだけでは勝てません。調査官との「人間関係構築」「適切な駆け引き」「落としどころの感覚」がとても重要なのです。
元国税OBの税理士は「敵の裏をかく」のが上手いことが多く、その点では頼もしい味方になります。でも、「税務署寄り」の姿勢になりやすい人もいるので、面談して判断するのがベストです。
10. まとめ:税務調査は「抜き打ちテスト」ではなく「予告テスト」
税務調査とその後の追徴課税・修正申告は、確かに経営者にとって一大事。でも、正しく理解して適切に準備すれば、過度の心配は無用です。
重要ポイントをおさらいすると👇
- 税務調査は「ランダム」ではなく「狙い撃ち」。何らかの指摘を受ける可能性は80%以上。
- 通知を受けたら慌てず、必要書類を整理し、税理士に相談しながら準備するのが鉄則。
- 調査当日は敵対せず誠実に対応。でも「聞かれたこと以外は答えない」の原則を守る。
- 修正申告は速やかに行う(延滞税は日々増加)。調査前の自主修正が最もペナルティが軽い。
- ペナルティの種類を知り、適切に交渉。特に重加算税だけは何としても避ける。
- 追徴税額は原則一括納付。猶予制度はあるけれど最終手段。
- 日頃からの正確な記帳と書類保存が最大の防御策。
これを「税務調査サバイバルの7か条」と覚えておいてください。
そして何より、税務調査や修正申告で困ったら、一人で悩まず専門家に相談を。問題が複雑化・深刻化する前に、早め早めの対応が重要です。
このブログが皆さんの「税務調査への不安」を少しでも和らげる助けになれば幸いです。
当事務所では、税務調査対応から修正申告・追徴課税の納付まで、トータルサポートを提供しています。税務署OB税理士も複数在籍し、「徹底交渉型」の調査対応で、多くのクライアント様から「思ったより追徴税額を抑えられた!」とご好評いただいています。
困ったときはいつでもご相談ください。平日夜間・土日も対応可能です。