税務調査が今までない会社の特徴を税理士が解説
税理士の岩本隆一です。税務調査のご依頼募集中です。
今日は「うちの会社、なんで税務調査が来ないんだろう?」という疑問について話してみたいと思います。
実は、これ、めちゃくちゃよく聞かれる質問なんですよね。特に起業したばかりの社長さんとか、まだ税務調査を受けたことがない会社の経理担当者の方から。
「隣の会社は調査が入ったのに、うちは全然来ない。これって逆に怖いんですけど…」みたいな。
気持ち、わかります。未知のものって怖いですもんね。
税務調査が来ない会社の特徴って実際あるの?
結論から言うと、あります。
税務署も人間がやってる組織なので、限られたリソースの中で効率的に調査をしたいわけです。だから、ある程度のパターンはあるんですよね。
今日は税理士として20年以上やってきた経験から、税務調査が来にくい会社の特徴をお話しします。
特徴1:売上規模が小さい
これは当たり前っちゃ当たり前なんですが、売上が小さい会社ほど調査対象になりにくいです。
税務署的には「調査にかかる時間とコストに対して、回収できる税額が少ない」ということになるからです。
具体的には、年商1000万円以下の会社は(比較的)調査確率が低いですね。もちろんゼロじゃないですけど、優先順位は下がります。
ただし、これは「小さいから安全」という意味ではありません。あくまで確率の話です。
特徴2:業種が目立たない
これも重要なポイントです。
現金商売や、経費が曖昧になりがちな業種(飲食業、建設業、不動産業など)は調査対象になりやすいんですが、逆に言うと、そうじゃない業種は目立ちにくいんです。
例えば:
- 製造業(特に下請け中心)
- システム開発会社
- 一般的な小売業
- 事務サービス業
こういった業種は、取引が明確で、現金のやり取りも少ないので、相対的に調査対象になりにくいです。(不正をしていると捕まえらなければ)
特徴3:申告内容に大きな変動がない
税務署は「前年と比べて大きく変わった部分」をチェックします。
だから、毎年安定した売上で、大きな変動がない会社は注目されにくいんです。
逆に、急に売上が伸びたり、利益率が大幅に改善したり、新しい事業を始めたりすると、「おや?」となりやすい。
特徴4:税理士がついている
これ、結構大事なポイントです。
税理士がついている会社の申告書は、税務署的にも「一定の品質は保たれているだろう」という認識があります。
もちろん税理士がついていても調査は来ますが、自分で申告している会社と比べると、やはり確率は下がります。
特に、地元で長年やっている税理士事務所がついている場合は、税務署との関係性もあるので、さらに確率が下がる傾向にあります。
特徴5:設立から日が浅い
実は、設立したばかりの会社って、調査対象になりにくいんです。
理由は簡単で、「まだ実績が少なくて、調査してもそんなに問題が出てこない可能性が高い」から。
税務署も効率を考えるので、ある程度事業が軌道に乗って、売上も安定してきた頃を狙って調査することが多いんですよね。
だいたい設立から5年~10年経った頃が、初回調査のタイミングとして多いです。
逆に言うと、設立から15年以上経っているのに一度も調査が来ていない会社は、ちょっと珍しいと思ってください。
でも、調査が来ないからって安心しちゃダメ
ここまで読んで「うちの会社、全部当てはまるから安心だ!」と思った方、ちょっと待ってください。
税務調査が来ないからといって、適当に申告していいわけではありません。
むしろ、いつ来てもいいように、普段からしっかりと帳簿をつけて、適正な申告をすることが大切です。
実際に気をつけるべきポイント
調査が来ない会社でも、以下のポイントは常に意識しておきましょう:
帳簿の整理 領収書や請求書は年度ごとにきちんと整理して保管。デジタル化も進めておくと便利です。
経費の根拠を明確に 「これって経費で落ちるかな?」と迷ったものは、必ず根拠を記録しておく。
現金の管理 現金出納帳はきちんとつけて、実際の現金残高と合わせる習慣を。
消費税の処理 軽減税率や、経過措置など、消費税の処理は特に注意深く。
まとめ:調査が来ない=問題ないではない
税務調査が来ない会社には確かに特徴があります。でも、それは「問題がない」ということではありません。
むしろ、調査が来ないからこそ、普段からしっかりとした経理体制を作っておくことが重要です。
そして、もし調査の連絡が来ても慌てないように、常に準備をしておくことが大切ですね。
税務調査は怖いものではありません。適正に申告していれば、堂々と対応できます。
不安なことがあったら、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に安心できる会社作りをしていきましょう!