税理士に確定申告を丸投げするとき、何を渡せばいい?個人事業主の資料チェックリスト(そろっていない場合の代わりも)

税理士に確定申告を丸投げするとき、何を渡せばいい?個人事業主の資料チェックリスト(そろっていない場合の代わりも)

横浜市で個人事業主・フリーランスの確定申告を数多くお手伝いしている、岩本隆一税理士事務所の代表、岩本隆一です。

「確定申告を税理士に丸投げしたいけれど、何を渡せばいいのか分からない」「領収書が袋に入ったままで、整理できていなくても頼めるのか」「控除の証明書をなくしてしまった」――初めて税理士に依頼する方から、毎年この時期に多くいただくご質問です。結論からお伝えすると、資料は完璧に整理されていなくて大丈夫です。必要なのは「売上」「経費」「控除」「前年の申告内容」の4つの柱に関する資料で、そろっていないものには代わりになる資料があります。

この記事では、個人事業主・フリーランス・店舗経営者の方が税理士に確定申告を依頼するときに用意する資料をチェックリストにまとめ、そろっていない場合の代わりになるもの、資料の渡し方、依頼から申告完了までの流れを解説します。本記事は2026年11月6日時点の情報に基づいており、対象は2026年分(令和8年分)の確定申告(申告期間:2027年2月16日〜3月15日、消費税は3月31日まで)です。

依頼前に集める資料のチェックリスト

まず「売上」「経費」「控除」「前年の申告・届出」の4つに分けて集めます。印刷してチェックしながら集めていただけるよう、一覧にしました。

依頼前に集める資料の4分類

資料は4つに分けて集めれば、細かな整理をしなくても依頼できます。

1
売上に関する資料請求書の控え、入金口座の通帳・入出金明細、売上台帳やプラットフォームの売上レポートなどです。
2
経費に関する資料領収書・レシート、クレジットカードや口座振替の明細、10万円以上のものを買った資料などです。
3
控除に関する資料国民年金や生命保険料の控除証明書、ふるさと納税の受領証明書、医療費の領収書などです。
4
前年の申告・届出前年の確定申告書の控え、開業届・青色申告承認申請書や消費税の届出の控え、マイナンバーカードなどです。
そろっていない資料も、代わりになる資料で補える場合があります。
本文のチェックリストを図にまとめたものです。

① 売上に関する資料

  • 請求書の控え:取引先に発行した請求書(紙・PDF・請求書ソフトのデータ)。
  • 入金のある口座の通帳・入出金明細:1月1日〜12月31日分。ネット銀行は明細をCSVやPDFでダウンロードしたもの。
  • 売上台帳・レジの日計表:店舗や現金売上がある場合。
  • プラットフォームの売上レポート:配達・ネットショップ・フリマアプリ・動画サイト・アフィリエイトなど、管理画面から出力できる年間の売上・手数料の明細。
  • 支払調書:取引先から届いていれば。届かなくても申告はできます。
  • 年末時点の売掛金:12月分の売上で、翌年1月以降に入金されるものの一覧。

② 経費に関する資料

  • 領収書・レシート:月ごとに封筒や箱に分けてあれば十分です。日付順に並べたり、台紙に貼ったりする必要はありません。
  • クレジットカードの利用明細:事業用カードは年間分。私用カードで事業の支払いをしたものは、該当する明細に印をつけておくと確実です。
  • 口座振替の明細:家賃・通信費・保険料・リース料など、通帳から引き落とされているもの。
  • 契約書・見積書:事務所や店舗の賃貸借契約書、外注契約など、金額の大きいもの。
  • 10万円以上のものを買った資料:パソコン、車、機械、内装工事などは減価償却の対象になるため、購入日と金額が分かる資料(納品書・契約書・ローンの返済予定表)が必要です。
  • 借入金の返済予定表:元本と利息の内訳が分かるもの。
  • 自宅兼事務所の資料:家賃・住宅ローンの返済予定表・電気代など、按分の対象になるもの。
  • 年末の在庫(棚卸表):商品や材料を仕入れる業種の場合。
  • 年末時点の未払いの経費:12月分の経費で翌年1月に支払うもの。

③ 所得控除・税額控除に関する資料

  • 国民年金の控除証明書:日本年金機構から10月下旬〜11月に届くはがき(またはマイナポータルの電子データ)。
  • 国民健康保険料の納付額:市区町村から届く納付額の通知、または納付書の控え・口座振替の記録。証明書の添付は不要ですが、年間の支払額が分かるものが必要です。
  • 生命保険料・地震保険料の控除証明書:保険会社から10月頃に届くはがき。
  • 小規模企業共済・iDeCoの掛金払込証明書:中小機構・国民年金基金連合会から届くもの。
  • ふるさと納税の受領証明書:各自治体の証明書、またはポータルサイトで発行される「寄附金控除に関する証明書」。
  • 医療費の領収書・医療費通知:1年間の医療費が10万円(所得200万円未満の方は所得の5%)を超える場合。健康保険からの「医療費のお知らせ」があれば集計が楽になります。
  • 住宅ローン控除の資料:金融機関の年末残高証明書。初年度は登記事項証明書・売買契約書なども必要です。
  • 配偶者・扶養親族の収入が分かるもの:源泉徴収票など。
  • 給与の源泉徴収票:会社員と兼業の方、年の途中で独立した方。

④ 前年の申告書・届出・本人確認

  • 前年の確定申告書の控え:青色申告決算書または収支内訳書も一緒に。初めての申告の方は不要です。
  • 固定資産台帳・減価償却の明細:前年の決算書に含まれていることが多いです。
  • 開業届・青色申告承認申請書の控え:青色申告かどうかの確認に使います。
  • 消費税関係の届出の控え:課税事業者選択届出書、簡易課税制度選択届出書、インボイスの登録通知書など。
  • e-Taxの利用者識別番号と暗証番号:過去にe-Taxで申告していれば。分からなくても、利用者識別番号はマイナンバーカード方式でのログインなどで確認でき、暗証番号はマイナンバーカードなどで再設定できます。それでも分からない場合は、税務署に「変更等届出書」を提出すれば郵送で通知されます(届くまで日数がかかります)。
  • マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類。通知カードは、記載の氏名・住所などが住民票と一致している場合に限ります):申告書にマイナンバーを記載するため。
  • 還付金を受け取る口座:還付になる場合。

そろっていなくても大丈夫|代わりになる資料

「領収書を捨ててしまった」「証明書のはがきが見当たらない」という場合も、次の資料で代わりになることがほとんどです。

  • 領収書がない経費:クレジットカードの利用明細、通帳の引き落とし記録、ネット通販の注文履歴、電子マネーやQR決済の利用履歴で支払いの事実を確認できます。現金払いで何もない場合は、日付・金額・支払先・内容を記録した出金伝票を作ります。
  • 請求書の控えがない売上:通帳の入金記録と取引先からの支払通知、請求書ソフトの発行履歴で集計します。取引先に再発行を頼める場合もあります。
  • プラットフォームの売上:管理画面から年間のレポートを再出力できます。
  • 控除証明書をなくした場合:国民年金は日本年金機構に再発行を依頼するか、マイナポータルで電子データを取得できます。生命保険料・地震保険料は保険会社のマイページや電話で再発行できます。iDeCo・小規模企業共済も同様に再発行が可能です。
  • ふるさと納税の証明書:ポータルサイトで「寄附金控除に関する証明書」を発行すれば、自治体ごとの受領証明書を集め直す必要はありません。
  • 前年の申告書の控えがない場合:税務署で閲覧・写しの請求ができ、e-Taxで申告していればメッセージボックスから確認できます。前任の税理士がいれば、そちらに控えを依頼します。

マイナポータル連携を使うと、国民年金・生命保険・地震保険・iDeCo・ふるさと納税・医療費・住宅ローン残高などの証明書データを一括で取得できる範囲が年々広がっています。連携の設定はご自身で行う必要がありますが、設定後は紙の証明書を探す手間が大きく減ります。

なお、メールやWebサイトでPDFとして受け取った請求書・領収書は、電子帳簿保存法の「電子取引」に当たり、データのまま保存することが原則です。印刷したものではなく、PDFのままお渡しください(詳しくは「電子帳簿保存法の電子取引データ保存」)。

(仮定例)領収書が袋にまとめてあり、売上の入金先が複数ある場合

(仮定例)副業から始めた個人事業で、1年分の領収書を一つの袋にまとめて保管しており、売上は2つの銀行口座とネットショップの売上金に分かれて入っているケースを考えます。

この場合、領収書は月ごとに封筒に分け直す程度で足ります。売上は2つの口座の1年分の明細と、ネットショップの管理画面から出力した年間の売上レポートをそろえます。私用のカードで払った仕事の経費は、カード明細の該当行に印を付けておけば、領収書が見当たらない支出の確認にも使えます。実際の事例ではありません。

資料の渡し方|紙のまま・スマホ撮影・データ共有

当事務所では、次の方法で資料をお預かりしています。どれか一つに統一する必要はなく、「領収書は紙のまま郵送、通帳と売上データはクラウドで共有」のように組み合わせて構いません。

  • 紙のまま郵送・持参:領収書は月ごとに封筒に分けていただければ十分です。通帳はコピーでも原本でも構いません。
  • スマホで撮影して送る:LINEやメールで写真を送っていただく方法です。freee・マネーフォワード・弥生などのクラウド会計をお使いの方は、レシート撮影機能で読み取ったデータをそのまま共有できます。
  • クラウドで共有:PDFやCSV、会計ソフトのデータは、共有フォルダや会計ソフトの招待機能でやり取りします。

ご相談・ご連絡はLINE・メール・電話で受け付けており、LINEとメールは24時間、電話は平日9〜17時(土日祝・夜間は事前予約)です。LINEの返信は代表税理士の岩本本人が行っています。

依頼から申告完了までの流れ

  • 無料相談:領収書の量、売上の規模、青色申告かどうか、消費税の申告が必要かなど、現状をお聞かせください。資料が整理されていなくても、この段階で把握できれば問題ありません。
  • お見積り:スポット(年1回の確定申告のみ)か顧問(月次サポート)かを含めてご提案し、費用をお伝えします。
  • ご契約:内容にご納得いただいてから開始します。
  • 資料送付:上のチェックリストに沿って資料をお預かりします。不足があればこちらからお知らせします。
  • 記帳・決算・申告書の作成:領収書の入力から決算書・申告書の作成まで当事務所で行い、内容を確認していただいたうえでe-Taxで提出します。
  • 納税のご案内・控えのお渡し:納税額と納付方法、振替納税の案内、申告書の控えをお渡しします。

所要日数は資料の量と時期によって異なります。2〜3月は申告が集中するため、できれば1月中、遅くとも申告期限の1か月前までに資料をお預けいただくと、内容を丁寧に確認する時間を確保できます。期限直前のご依頼も内容によって対応していますので、まずはご相談ください。

経費や記帳の基本も合わせて確認

資料を集める過程で「これは経費になるのか」と迷うものは、迷ったまま入れておいてください。判断は当事務所で行い、必要に応じて確認します。経費の考え方や、自宅兼事務所・車などの按分については、別の記事で解説する予定です。白色申告の方も記帳と帳簿の保存は義務ですので、「白色申告の記帳義務」も参考にしてください。領収書や帳簿の保存期間は「帳簿・領収書は何年保存する?」で解説しています。

サービスの内容・料金・よくある質問は税務顧問+確定申告のページをご覧ください。

まとめ:資料は「4つの柱」でそろえれば、整理は不要

税理士に確定申告を依頼するときの資料は、売上・経費・控除・前年の申告の4つに分けて集めれば十分で、日付順に整理したり台紙に貼ったりする必要はありません。領収書や証明書がなくても、通帳・カード明細・管理画面のデータ・再発行で代わりになるものがほとんどです。資料の渡し方は紙・スマホ撮影・クラウドのどれでも構いません。申告期限の1か月前までに資料を預けていただければ、余裕をもって申告できます。

「税理士に確定申告を依頼するときの資料」まとめ

  • 資料は①売上(請求書・通帳・売上レポート)②経費(領収書・カード明細・契約書・高額資産)③控除(年金・保険・共済・ふるさと納税・医療費)④前年の申告書・届出・本人確認の4つに分けて集める
  • 領収書は月ごとに封筒に分けるだけでよく、日付順の整理や台紙への貼付は不要
  • 領収書・証明書がなくても、通帳・カード明細・注文履歴・再発行・マイナポータル連携で代わりになる
  • PDFで受け取った請求書・領収書はデータのまま渡す(電子取引の保存義務)
  • 渡し方は郵送・持参、スマホ撮影(LINE・メール)、クラウド共有を組み合わせてOK
  • 流れは無料相談→見積り→契約→資料送付→記帳・申告→納税案内。期限の1か月前までの資料送付が目安

「確定申告の丸投げ」に関するよくある質問

A.できます。年の途中からの記帳代行や、決算直前のご依頼にも対応しています。開業初年度の方は、開業前に支払った準備費用(開業費)も経費や繰延資産として扱えるため、開業前の領収書も捨てずにお持ちください。青色申告を希望する場合は、開業日から2か月以内(1月15日以前の開業は3月15日まで)に青色申告承認申請書を提出する必要があるため、開業したばかりの方は早めにご相談いただくと選択肢が広がります。

A.売上の規模にかかわらずお受けしています。費用は基本料に年間売上の一定割合を加える計算式で事前にお見積りし、法人や消費税申告がある場合の加算もあらかじめお伝えします。領収書の枚数が多いからといって後から追加料金を請求することはありません。現在の料金式と計算例は税務顧問+確定申告のページの料金案内をご確認ください。

A.申告はできます。私用の入出金が混ざっている場合は、事業に関係する入金(売上)と支払い(経費)に印をつけていただくか、当事務所で確認しながら区分します。ただし、混在していると集計の手間が増え、売上の計上漏れや経費の入れ忘れも起きやすくなります。来年以降は事業専用の口座とカードを1つずつ用意し、事業の入出金をそこに集めることをおすすめします。クラウド会計と連携すれば、記帳の大部分が自動化できます。

確定申告の丸投げは、横浜の岩本隆一税理士事務所へ。

「領収書が整理できていない」「何を渡せばいいか分からない」「期限が近い」など、確定申告のことなら、どんな状態からでもお気軽にご相談ください。横浜市内の個人事業主・フリーランス・店舗経営者の方を中心に、代表税理士が直接対応します。ご依頼に関する初回相談・お見積もりは無料です。具体的な調査・検討が必要なご相談は、内容を伺ってご案内します。

執筆者紹介

岩本隆一税理士

岩本隆一税理士事務所
代表税理士・行政書士
岩本 隆一Ryuichi Iwamoto

準大手税理士法人で多くの実務を経験後、横浜市西区で独立。「経営者の孤独と本音に寄り添うパートナー」を信条に、代表自らが直接対応します。IT(クラウド会計・LINE)を活用して業務を進めます。土日祝・夜間の対応は事前予約制です。横浜F・マリノスを愛する生粋の横浜っ子です

税務・申告に関するご相談を承ります。

「税金のことが分からない」「税務署から連絡が来て不安だ」「申告期限が迫っている」など、
どんなことでも一人で悩まずご相談ください。横浜市密着の岩本隆一税理士事務所が、税務・申告についてサポートします。
ご依頼に関する初回相談・お見積もりは無料です。具体的な調査・検討が必要なご相談は、内容を伺ってご案内します。LINEでのご相談も承ります。土日祝・夜間の対応は事前予約制です。

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