税務調査の連絡を受けてから税理士に依頼するまで|依頼のタイミング・立会いで変わること・費用の考え方

横浜市で税務調査の事前準備と立会いをお手伝いしている、岩本隆一税理士事務所の代表、岩本隆一です。
「税務署から調査の電話があった。税理士に頼むべきか、自分で対応できるのか」「頼むとしたら、いつ連絡すればいいのか」「費用はどれくらいかかるのか」――税務調査の連絡を受けた直後は、何から手をつければよいか分からず、不安だけが先に立ちます。顧問税理士がいない個人事業主や小規模法人の方、今の税理士に不安がある方から、この段階でご相談をいただくことが多くあります。
この記事では、税務調査の連絡を受けた直後にやること・やらないこと、税理士に依頼すると何が変わるのか、依頼のタイミング(通知直後・調査前日・調査後)による違い、費用の考え方と当事務所の見積りの出し方、相談時に用意する資料を解説します。本記事は2026年11月6日時点の国税通則法と実務に基づいています。
連絡を受けた直後にやること・やらないこと
税務調査は、原則として税務署から電話で「事前通知」が行われ、調査の開始日時・場所・目的・税目・対象期間・用意する帳簿書類などが伝えられます(国税通則法74条の9)。電話を受けたときは、次の点を押さえてください。
電話で事前通知を受けたら、次の順で落ち着いて対応します。
- 通知内容をメモする:担当者の氏名と部門、電話番号、希望された日時、対象の税目と年分、用意するよう言われた書類を書き留めます。
- 日程は即答しない:「都合を確認して折り返します」と伝えて構いません。業務の都合や税理士の予定を理由に日程の調整を求めることは認められています。
- 資料の所在を確認する:対象年分の申告書の控え、帳簿、通帳、請求書・領収書がどこにあるかを確認します。整理はこの段階では不要です。
- 税理士に連絡する:顧問税理士がいればすぐに連絡します。いない場合は、この時点で相談先を探すのが最も余裕のあるタイミングです。
一方で、やってはいけないことがあります。帳簿や領収書を作り直す・捨てる・書き換えること、取引先と口裏を合わせること、調査官に事実と異なる説明をすることです。これらは仮装・隠蔽として重加算税(35%・40%)の対象になるだけでなく、調査を長期化させます。調査が来ること自体が「何か悪いことをした」という意味ではないので、過去の処理に不安があっても、まずは事実をそのまま税理士に話してください。電話の受け方は「税務署から電話・通知が来たら?」でも解説しています。
税理士に依頼すると変わること
税理士に依頼した場合、税務代理権限証書を提出し、調査に関する連絡を税理士が受けることに同意すれば、以後の税務署とのやり取りは税理士が窓口になります。具体的には次の点が変わります。
- 日程調整:税務署との日程の交渉を税理士が行い、準備に必要な期間を確保します。
- 資料の準備:対象年分の申告内容を確認し、調査官が確認しそうな項目(売上の計上時期、経費の内容、在庫、役員や家族への支払い、消費税の区分など)を事前に点検します。説明が必要な取引については根拠資料をそろえ、当事務所では最低2回の予行練習(想定問答)を行います。
- 当日の立会い:調査官の質問の趣旨を整理し、税法上の論点について税理士が説明します。事業の内容や取引の経緯など、事実関係はご本人が答える場面もありますが、答え方の準備ができているかどうかで、調査の進み方は大きく変わります。
- 調査官との折衝:指摘事項について、条文・通達・判例に基づいて根拠を示し、認めるべきものと争うべきものを仕分けします。感情的なやり取りではなく、根拠に基づく説明を行うのが税理士の役割です。
- 調査終了後の手続き:調査結果の説明を受け、修正申告をするか、更正を待つか、不服申立てをするかを一緒に判断します。修正申告書の作成・提出、加算税・延滞税の計算、納税が難しい場合の分納の相談まで対応します。
税務調査の全体の流れは「税務調査の流れとは?」、事前準備の項目は「税務調査の事前準備チェックリスト」で解説しています。
依頼のタイミング別の違い
- 通知直後に依頼する場合:日程調整から資料の点検、予行練習まで、できることがすべて行えます。申告内容に誤りが見つかった場合、調査前に自主的に修正申告をすることで、過少申告加算税が課されない(または軽減される)可能性もあります(「自主的修正申告で加算税はどう変わる?」)。最も選択肢が多いタイミングです。
- 調査の前日・数日前に依頼する場合:資料の点検は限られますが、当日の立会いと、答え方の基本的な確認はできます。日程の再調整を税務署に申し入れることも可能です。「間に合わないから自分で対応する」と決める前に、一度ご相談ください。
- 調査が始まった後・終わった後に依頼する場合:指摘事項の内容を検討し、根拠のある反論ができる点については税務署と協議します。修正申告書の作成、加算税の確認、納税計画の相談も可能です。調査中であれば、途中からでも税務代理権限証書を提出して関与できます。
「自分で対応できるか」については、帳簿がきちんと整っていて、説明に困る取引がなく、調査官の質問の意図を理解できる方であれば、ご自身で対応されることもあります。ただし、調査官の質問に対して「よく分からないまま認めてしまった」「質問応答記録書に署名してしまった」という相談も少なくありません(「質問応答記録書への対応」)。不安がある場合は、立会いだけでも依頼する価値があります。
(仮定例)通知の直後に依頼し、調査前に申告の誤りが見つかった場合
個人事業主が税務署から調査の事前通知を受け、その日のうちに税理士に相談したとします。税理士が税務代理権限証書を提出して日程を調整し、準備期間を確保して帳簿を点検したところ、入金の一部が売上に計上されていない誤りが見つかりました。
この場合、調査を待たずに修正申告をすることが考えられます。ただし、事前通知を受けた後なので、加算税がかからない「通知前の自主的な修正申告」には当たらず、新たに納める税金の5%(当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)の過少申告加算税と延滞税がかかります。それでも、調査を受けた後の修正申告(原則10%)より負担は軽くなります。実際の事例ではありません。
出典:国税庁 タックスアンサー No.2026「確定申告を間違えたとき」
費用の考え方と当事務所の見積りの出し方
税務調査対応の費用は、一般的に次の3つの要素で決まります。
- 事前準備:申告内容の点検、資料の整理、想定問答の作成と予行練習。対象年分の数と帳簿の整理状況で工数が変わります。
- 立会い:調査当日の立会い日数。個人事業主や小規模法人の調査は1〜2日で終わることが多く、延びる場合は追加になります。
- 調査後の対応:修正申告書の作成(税目・年分ごと)、税務署との協議、納税の相談。指摘事項がなければ発生しません。
当事務所では、無料相談で調査の通知内容・対象年分・帳簿の状況・不安な点を伺ったうえで、上の3つの要素に分けてお見積りをお伝えし、お見積り後の追加請求はありません。報酬は原則として前払いですが、支払いが難しい場合は分割や支払時期をご相談いただけます。顧問契約は不要で、税務調査のみの単発のご依頼をお受けしています。土日祝・夜間の対応も可能です。詳しくは税務調査サポートのページをご覧ください。
相談時に用意する資料
初回のご相談では、次のものがあれば話が早く進みます。そろっていなくても相談はできますので、分かる範囲でお持ちください。
- 税務署からの通知の内容(メモで可):日時・税目・対象年分・担当者名
- 対象年分の申告書の控えと決算書(青色申告決算書・収支内訳書・法人の決算書)
- 帳簿(会計ソフトのデータ、総勘定元帳)
- 通帳(事業用・個人用)、請求書・領収書の保管状況が分かるもの
- ご自身で気になっている点(売上の計上漏れ、経費の判断、在庫、家族への支払いなど)のメモ
領収書が整理されていなくても、段ボールや紙袋のままお預かりし、仕分けは当事務所で行います。過去の処理に不適切な点があるかもしれないという場合も、早めにお話しいただくほど対応の選択肢が広がります。ご相談の内容が外部に漏れることはありません。
まとめ:連絡を受けたら日程は即答せず、早い段階で相談を
税務調査の連絡を受けたら、通知内容をメモし、日程は即答せず、資料の所在を確認して、税理士に連絡するのが最初の一歩です。書類の作り直しや口裏合わせは絶対に避けてください。税理士に依頼すると、日程調整・資料の点検・予行練習・当日の立会い・調査官との折衝・修正申告までが変わります。通知直後の依頼が最も選択肢が多く、前日や調査後でもできることはあります。費用は事前準備・立会い日数・調査後の対応の3要素で決まり、当事務所では無料相談のうえで見積りを出し、追加請求はありません。
「税務調査の連絡を受けてから税理士に依頼するまで」まとめ
- 連絡を受けたら:通知内容をメモ、日程は即答しない、資料の所在確認、税理士に連絡
- やってはいけない:帳簿・領収書の作り直し・廃棄、取引先との口裏合わせ、虚偽の説明(重加算税の対象)
- 依頼で変わること:日程調整、資料の点検と予行練習、当日の立会い、根拠に基づく折衝、修正申告・納税の相談
- タイミング:通知直後が最善(自主修正申告の選択肢も)。前日でも立会いと再調整は可能。調査後でも指摘の検討・修正申告に関与できる
- 費用は事前準備・立会い日数・調査後対応の3要素。当事務所は無料相談→見積り、追加請求なし、顧問契約不要、原則前払い(分割相談可)
- 相談時は通知内容・申告書控え・帳簿・通帳・気になる点のメモを。未整理でも可
「税務調査と税理士への依頼」に関するよくある質問
可能です。税務調査の立会いだけを別の税理士に依頼することはでき、当事務所でもそうしたご依頼をお受けしています。その場合、顧問税理士が作成した申告書と帳簿の内容を確認したうえで、調査の対応を行います。顧問税理士との関係を気にされる方が多いのですが、「調査対応は専門の税理士に依頼したい」と伝えれば足り、顧問契約を解除する必要はありません。調査後に顧問の変更を検討する場合は「税理士を変更する手順」をご覧ください。
現金商売など、事前通知をすると正確な調査が難しいと判断される場合には、通知なしで調査が行われることがあります。その場合でも、調査官の身分証明書を確認し、「税理士に連絡して立会いを依頼したい」と伝えて構いません。税理士が到着するまで調査の開始を待ってもらえることが多く、少なくとも当日は帳簿の提示や質問への回答の範囲について、落ち着いて対応することが大切です。断りなく私物や金庫を開けるといった行為には応じる義務はなく、調査官の求めに正当な理由なく応じない場合の罰則はあるものの、何が「正当な理由」かを含めて税理士と相談しながら対応してください。
ご相談いただけます。無申告の状態で税務調査の連絡を受けた場合、調査の前に期限後申告をするかどうかで無申告加算税の割合が変わります(調査の通知前の自主申告は5%、通知後・調査前は10%〜、調査後は15%〜、高額・反復の場合は加重)。どの時点で申告するのが適切かは、資料の状況と期間によって異なるため、連絡を受けたらすぐにご相談ください。無申告の解決手順は「無申告の解決手続き完全ガイド」で解説しています。
税務調査の連絡を受けたら、横浜の岩本隆一税理士事務所へ。
「税理士に頼むべきか迷っている」「日程をどう調整すればいいか」「費用の目安を知りたい」など、税務調査のことなら、どんな段階でもお気軽にご相談ください。横浜市内の個人事業主・法人の方を中心に、代表税理士が直接対応します。顧問契約は不要で、土日祝・夜間も対応します。ご依頼に関する初回相談・お見積もりは無料です。具体的な調査・検討が必要なご相談は、内容を伺ってご案内します。
執筆者紹介

岩本隆一税理士事務所
代表税理士・行政書士
岩本 隆一Ryuichi Iwamoto
準大手税理士法人で多くの実務を経験後、横浜市西区で独立。「経営者の孤独と本音に寄り添うパートナー」を信条に、代表自らが直接対応します。IT(クラウド会計・LINE)を活用して業務を進めます。土日祝・夜間の対応は事前予約制です。横浜F・マリノスを愛する生粋の横浜っ子です
税務・申告に関するご相談を承ります。
「税金のことが分からない」「税務署から連絡が来て不安だ」「申告期限が迫っている」など、
どんなことでも一人で悩まずご相談ください。横浜市密着の岩本隆一税理士事務所が、税務・申告についてサポートします。
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